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大人しく撫でられていたマルコーが頭を上げた。

「どうしたの?」

少し興奮しているようだ。

「まったく、おまえは目を離すと何をしでかすかわからんな!」

聴きなれた低くてよく通る声。振り返ると入り口に人影があるが逆光になっていて顔は見えないが、それが誰かすぐにわかった。
それはマルコーも同じだった。

「部屋に行けばもぬけの殻だから、オークネフたちが慌ててたぞ」
「アレクセイ!!」

馬のいななきと同時だ。
敷草を踏み鳴らし近づく背の高い影。すぐにユリウスの傍まで来るとひょいと抱え上げた。

「わ!」
「少しは大人しくしていろ」
「だって、ずっとマルコーに会えなかったんだもの。降ろし・・・ん」

腕の中の彼女の言葉を遮るように唇を塞いだ。ユリウスの腕がアレクセイの首に回ると、口づけが激しくなる。
アレクセイの熱い唇を受けると背筋に痺れるような感覚が走る。身体の奥から熱いものが込み上げてきた。
ひとしきり彼女の唇を堪能すると、額にキスをした。

「部屋に戻るぞ」
「ん・・・」

アレクセイの胸に顔を寄せた。

「マルコー、こいつを寝かせたらまた来る。待っていてくれ」

わかりました、と言っているように首を振り鼻を鳴らすマルコーの声を背にアレクセイはユリウスを抱え、屋敷の中に入って行った。

更新日:2017-03-20 08:40:18

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Еще одна история オルフェウスの窓