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Chapter 1〜夢見るオタク様⁉︎〜

「おーい、オルヴィ〜⁉︎ 我の鎧はどこにあるのー」

「もぅ〜あんたね〜。いつもいつも、私をなんだと思ってるのよ。使い魔じゃないのよ? まったく」

 悪びれたる様子もない大魔王、シュヴァルツ。
 王妃オルヴィアもこの会話を毎日楽しみにしていた。

 二人が出逢ったのは、先代のそのまた先代の大魔王こと、ルシフェルの一言から始まったのだ。

『お前に必要なのは悪の心だ。優し過ぎては、この魔界を納めきれなくなるぞ⁉︎ そのお前に紹介したい王女が居るのだが、どうだ? 逢って見るか!』

 それが煉獄への第一歩となったわけだ。

 それもその筈……他国の王ベルゼブブの曾孫君と来たら、誰もが恐れ多のく魔界きっての剣の使い手。男性を嫌うと評判だったその姫君から、大魔王は気に入られてしまったのだ。

「オルヴィ〜。オルヴィ〜ってば‼︎ どうだい? このマント。新しく新調したんだ〜」

「ハァー。馬子にも衣装って言葉、あんたに理解出来るかしら?」

大概、王家となれば、鎧甲冑やマントなどには家紋となる刻印を刻むのだがコレは……如何な物だろう。

「あんたのマントって、威厳もクソもないわね! 恥を知りなさい恥を」

 その言葉にシュヴァルツは何故か感激している。

「だって〜。人間界には猫なる生き物が存在するのだぞ? 可愛いいではないかー」

「ソレとコレとは別だって言ってんの! 分かんないの?」

 案の定、人間界の猫なる物体をマントに刻む大魔王様。
 我々使い魔にも、呆れという言葉が出てしまいます。

……優し過ぎるのにも限度がありまするな。

更新日:2017-03-12 00:22:48

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大魔王様だからって…許さないんだからね!