• 作品を探す:

小説

携帯でもPCでも書ける!

  • 6 / 28 ページ

助手席の庄衛を抱きしめる。
庄衛の体は震えている。
善吉の肩口に当てた庄衛の口から嗚咽が聞こえる。
庄衛も善吉にしがみ付く。
涙が頬を伝って善吉の肩を濡らす。

15万円の26週分、約400万円の目途などあるはずはなかった。
お互いに親戚に迷惑をかける気など毛頭なかった。

財産の切り売りをすれば何とかなるのではと考えていた。
だがその先は何もなかった。

今は二人で半年を過ごすことだけが使命であった。
その先に何が待っているのか?それは考えたくもなかった。

それよりも善吉はただ庄衛が哀れでならなかった。
もう一度力を込めて庄衛を抱きしめる。

更新日:2017-03-11 15:54:42