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小説

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至極の日々

善吉が文字通りの入り婿になってもう十年が経とうとしていた。
幸代には妊娠の兆候は見られず終いでもう諦めていた。
どちらに原因があるのかはあえて調べようともしなかった。
調べたところでどうにかなることではなかったと思われた。

庄衛は孫ができないことは残念であったが妻がいて、娘がいてその上善吉まで一緒にいられることで充分満足であった。
先々のことは気にならないことはなかったが二人が幸せに過ごしてくれればよいことであった。

朝二人が起きるころには美代と幸代が朝食を用意してくれている。
庄衛は毎朝仏壇でご先祖様に経を唱える。
その後ろに善吉も座っている。

朝食を済ませると二人は農作業に出かける。
一緒の時もあり、二人別々の時もある。
主に露地物は庄衛、ハウスは善吉といった役割分担ができていた。
美代は体調が万全ではなく、床に臥すことが多いが幸代は善吉の手伝いをしたり庄衛の手伝いをしたりして過ごす。

昼時は家に帰って揃って昼食をとる。
暑い季節には昼寝をすることもあった。

庄衛は半裸の姿で昼寝をする。
上半身は前合わせのシャツを着ているが下半身はふんどし一枚のことが多かった。
善吉はそれとなく眺めては昂ぶりを覚えた。
庄衛のふんどしは時にはゆるゆるでその隙間から庄衛の大切なものを見ることができた。

庄衛は善吉に見られていることを知っているのか知らないのかはよくわからないが昼寝から起きて身繕いをただすとき目が合うと、はにかんだような表情をする。
その庄衛の表情も善吉は好きであった。

夕方に仕事を終えると風呂に入る。
いまだに薪をくべる風呂を使っていて庄衛が風呂に入っていると幸代が様子を聞いたり善吉が聞いたりして追い炊きをした。

脱衣かごに脱ぎ捨てた庄衛の肌着は汗でぬれている。
肌着と外着とは分けて洗濯するため脱衣かごは二つあった。
外着用のそれにはパッチと上着、肌着用は綿のシャツとふんどしが脱ぎ入れてある。

善吉はそれらを見るとなぜか庄衛がいとおしくてならなかった。

農家の夜は早い、九時ころには就寝である。
美代の体調が良い時は庄衛はそれなりに交わった。

農家の二世帯である。
別棟とかプライバシーエリアがある訳がなかった。

庄衛たちの声は善吉にも聞こえる。
庄衛はその音が善吉に届いていることを自覚していた。

善吉に聞こえている・・・時には善吉に見られている・・・それが庄衛を欲情させた。

善吉も同様であった。
庄衛たちの行為を目の当たりにすることで同じように欲情した。

そのような夜には必ず幸代を抱いて己を鎮めた。

庄衛と善吉はお互いの妻を介して情交していていたのかもしれなかった。

そのような平凡で幸せな毎日が続いていたのだが最近は美代の体調が悪くそのような機会も減りつつあった。

更新日:2017-03-11 15:58:47