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崩壊寸前

それは一年と半年前に遡る。

コナンや哀が小学二年生にあがったばかり、遅咲きの桜が舞い散る頃のことだった。

灰原哀が宮野志保だと正体を掴んだ黒の組織は、
彼女が大切にしていた阿笠博士と少年探偵団の元太歩美光彦の三人を誘拐したのだ。

四人の誘拐を知らせる電話は阿笠邸にかかってきた。
もちろん電話に出たのは灰原哀。

彼らの要求は人質と灰原哀本人との交換だった。

博士と子供たちの三人を救おうと、哀はコナンにも誰にも知らせずに、
身代わりとなるべく一人で黒の組織へと乗り込んでいった。

そして、約束通り阿笠博士と少年探偵団の子供たちはすぐに解放されたのだが、
哀の消息はそのまま途絶えてしまったのだ。

解放された阿笠博士から初めて誘拐の事実を知らされたコナンは、
急いで沖矢昴に連絡し、安室透らと連携をとって何とか彼女を救い出そうと試みたが、
黒の組織に潜入していた安室さえも、宮野志保に執着していたジンまでも、
その居場所を知ることができなかった。

誘拐の電話がかかってきた際に、なんと哀は、あの方と崇められていた黒の組織のボスと、
直接に取引きすることを要求したのだ。

ボスと直接対決することで、哀一人が犠牲になって……
すべてを終わらせようとしたかったのかもしれない。

けれども、仮にも相手は世界中の警察を敵に回して暗躍する犯罪集団のトップ。
哀一人の力でなんとかなるはずもない。

唯一、ベルモットから教えてもらったことは…………

『シェリーならあの方のお気に入りの場所にいるはずよ』

しかし、それがどこかは誰にもわからなかった。

更新日:2017-02-25 00:58:49

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小さな恋、見つけた。【コナンでコナン×哀】 小学生時代