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一人になると、コナンが「はあ」と重苦しいため息をつく。
(なんで、俺、こんな大事な日に風邪をひくんだよ!)
せっかく立てたホワイトデーの計画もすべて水の泡。
コナンは自分自身に八つ当たりするように布団を頭までかぶってふて寝した。
「ほんとこの家、不用心ね。探偵事務所も玄関のカギも開いていたわよ」
うとうとと寝ていると突如、彼女の声が聞こえてくる。
また夢か────
彼女には昨日、蘭に頼んで比護隆佑の復帰戦のチケットを渡してあった。
今頃、阿笠博士と一緒に観戦しているはずだ。
「江戸川君、具合はどう?」
今度はひんやりとした手が額を覆う。
(わっ、つめてぇ……。でも、気持ちいいな)
「まだ熱が高いみたいね。
貴方用に解熱剤を調合してきたわ。飲んでみる?」
どうせ夢だ。
だから────
「なあ、灰原、俺さ、今日すげぇ楽しみにしてたんだぜ」
熱に侵されたうわ言のように思っていることを口にする。
「私も比護さんの復帰を楽しみにしていたわ。チケットありがとう」
「うん、いや、そうじゃなくてよ、俺……
オメーとキスする夢、何度も見たんだ。
本当はずっとずっとキスしたかった。俺、オメーが好きだ」
「……バカ」
「ああ、そうだな、ほんと俺、バカだよな。
なんでこんなチャンスに風邪なんか引いちまったんだろう」
「クソッ、灰原とキスしてェーーー!」と、布団の中で悶えるようにコナンが叫ぶ。
「そんなにキスしたいの?」
「ああ」とコナンが目を閉じたまま大きく頷く。
ここで目を開けたらまた夢から覚めてしまいそうだ。
こうなったらもう、夢でもいいから彼女とキスがしたい。
(なんで、俺、こんな大事な日に風邪をひくんだよ!)
せっかく立てたホワイトデーの計画もすべて水の泡。
コナンは自分自身に八つ当たりするように布団を頭までかぶってふて寝した。
「ほんとこの家、不用心ね。探偵事務所も玄関のカギも開いていたわよ」
うとうとと寝ていると突如、彼女の声が聞こえてくる。
また夢か────
彼女には昨日、蘭に頼んで比護隆佑の復帰戦のチケットを渡してあった。
今頃、阿笠博士と一緒に観戦しているはずだ。
「江戸川君、具合はどう?」
今度はひんやりとした手が額を覆う。
(わっ、つめてぇ……。でも、気持ちいいな)
「まだ熱が高いみたいね。
貴方用に解熱剤を調合してきたわ。飲んでみる?」
どうせ夢だ。
だから────
「なあ、灰原、俺さ、今日すげぇ楽しみにしてたんだぜ」
熱に侵されたうわ言のように思っていることを口にする。
「私も比護さんの復帰を楽しみにしていたわ。チケットありがとう」
「うん、いや、そうじゃなくてよ、俺……
オメーとキスする夢、何度も見たんだ。
本当はずっとずっとキスしたかった。俺、オメーが好きだ」
「……バカ」
「ああ、そうだな、ほんと俺、バカだよな。
なんでこんなチャンスに風邪なんか引いちまったんだろう」
「クソッ、灰原とキスしてェーーー!」と、布団の中で悶えるようにコナンが叫ぶ。
「そんなにキスしたいの?」
「ああ」とコナンが目を閉じたまま大きく頷く。
ここで目を開けたらまた夢から覚めてしまいそうだ。
こうなったらもう、夢でもいいから彼女とキスがしたい。
更新日:2017-07-14 11:26:57