• 3 / 50 ページ
「哀ちゃん、ごめん、余計なお節介でしたね。
では、邪魔者は消えますから……どうぞごゆっくり」

安室が二人に笑顔を向けると立ち去っていく。

黒の組織はもうずい分と前に崩壊したというのに……
なぜか今も週二、三回はポアロのバイトに入っている。

いったい何のために安室がここでバイトを続けているのか、
コナンにも謎だった。

「そんなに待っていてくれたんだな、サンキュ」
「さっき言ったでしょう。たまたま近くに用があったのよ」
「うん、そうだったな」

彼女が素直じゃないのは出会った頃から変わらない。

「それで話って何なの?」

今度はコナンの方が俯いてコーヒーをスプーンでクルクルとかき混ぜている。

「明日から学校だし、その前にオメーに言いたいことがあったんだ」

今日で帝丹小学校の冬休みも終わってしまう。
学校が始まると、なかなか二人っきりの時間が持てない。

だから、今日こそ、はっきりと────

「なあ、灰原……工藤新一が死んで一年が経っただろう」

一年ほど前、工藤新一の死亡届が両親の手によって提出された。

『12月31日 アメリカにて事故死 工藤新一 満18歳没』

更新日:2017-02-25 11:53:33

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

小さな恋、見つけた。【コナンでコナン×哀】 小学生時代