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待ちに待ったはずの知らせ
助け出された灰原哀はしばらく海辺の街にある病院に入院すると、
米花町の病院へと転院した。
阿笠博士やコナンら周囲の懸命な看病のおかげか、
哀は体力が回復につれて次第にかつての自分を取り戻していく。
何といっても哀にとって一番の良薬はコナンの存在だった。
「哀君、しばらくコナンは見舞いにこれないそうじゃよ」
「……そう」
「哀君も寂しいじゃろう」
「別に……そんなことないわ。
江戸川君に毎日来て欲しいなんて頼んだ覚えはないもの」
「代わりにわしが毎日来るからの」
「ありがとう、博士」
口では強がっていたが、
コナンが訪れない日々が続くと哀も元気がなかった。
そんな時は──
「ほれ、哀君、コナンから電話じゃよ!」
コナンが電話をかけてきてくれた。
『もしもし、灰原、元気か? 体調はどうだ?』
「私は元気よ、いったい何の用?」
『おいおい、わざわざ電話してやってるんだぜ?
その言い方はねーだろう』
「だって、特に貴方と話したいことなんてないもの」
『まあ、それだけ憎まれ口を叩けるようになったんだから、
元気になった証拠だな。
オメーに感謝されたら、気味がわりぃしさ、アハハハッ』
「貴方こそ何よ、他に言うことはないの?」
『オメーに言うことねぇー、うーん、そうだな……あのさ……』
「何かあるの?」
『灰原……オメーに会いたい』
「…………。気味が悪いわね。じゃあね」
『バーロー! 切るなよ』
米花町の病院へと転院した。
阿笠博士やコナンら周囲の懸命な看病のおかげか、
哀は体力が回復につれて次第にかつての自分を取り戻していく。
何といっても哀にとって一番の良薬はコナンの存在だった。
「哀君、しばらくコナンは見舞いにこれないそうじゃよ」
「……そう」
「哀君も寂しいじゃろう」
「別に……そんなことないわ。
江戸川君に毎日来て欲しいなんて頼んだ覚えはないもの」
「代わりにわしが毎日来るからの」
「ありがとう、博士」
口では強がっていたが、
コナンが訪れない日々が続くと哀も元気がなかった。
そんな時は──
「ほれ、哀君、コナンから電話じゃよ!」
コナンが電話をかけてきてくれた。
『もしもし、灰原、元気か? 体調はどうだ?』
「私は元気よ、いったい何の用?」
『おいおい、わざわざ電話してやってるんだぜ?
その言い方はねーだろう』
「だって、特に貴方と話したいことなんてないもの」
『まあ、それだけ憎まれ口を叩けるようになったんだから、
元気になった証拠だな。
オメーに感謝されたら、気味がわりぃしさ、アハハハッ』
「貴方こそ何よ、他に言うことはないの?」
『オメーに言うことねぇー、うーん、そうだな……あのさ……』
「何かあるの?」
『灰原……オメーに会いたい』
「…………。気味が悪いわね。じゃあね」
『バーロー! 切るなよ』
更新日:2017-02-25 15:45:05