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小説

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無窮の優しさ


 三 無窮の優しさ

 それから私たちは、走りに走り、平坦な道を幾度も踏み越えながら、帰りを急いだ。
 そうして、幾度目かの休憩をはさんで再度、ペダルに足をやろうとしたとき、自転車のタイヤの空気圧が半分ほどに減っているのに気付いた。あまりもの長距離を走った所為なのか。それとも元々あまり入れていなかった所為なのだろう。私は重いと感じつつも、徐々に空気が抜け始めていることに気づかず、疲れが原因のように思って走っていたのだ。
 これに乗れよ、リュウちゃん。きみは、自分の乗っていた自転車のハンドルを私の前に突き出し、換わろうと言った。

更新日:2017-04-08 13:04:14