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主人は、娘が来春入学する大学の入学式に出たいと、最後まで望んでいました。
そして、娘は東京の大学に進学することになりました。
私は、東京に行く娘を思うと、気持ちは複雑でした。
あの東京には、和也が住んでいる。
今一度、和也に逢いたい、必ず逢いに行くと思うようになりました。
別れてから、すでに20年も経っているのに、和也への想いは変わっていませんでした。
しかし、和也は何処にいて、何をしているのかさえも分かりませんでした。
私と和也を繋ぐ糸は、ただ一つ、覚えている電話番号だけでした。
その日を、私はいまでも忘れません、4年前の4月13日の夜8時20分です。
私は、何度も何度も迷い、ためらい、躊躇しながらも、ダイヤルを回してしまいました。
「もしもし・・・」男性の声がしました。
「山口さんのお宅ですか? 和也さんはいらっしゃいますでしょうか」
「私ですが…。」
和也が出たのです。
そして、娘は東京の大学に進学することになりました。
私は、東京に行く娘を思うと、気持ちは複雑でした。
あの東京には、和也が住んでいる。
今一度、和也に逢いたい、必ず逢いに行くと思うようになりました。
別れてから、すでに20年も経っているのに、和也への想いは変わっていませんでした。
しかし、和也は何処にいて、何をしているのかさえも分かりませんでした。
私と和也を繋ぐ糸は、ただ一つ、覚えている電話番号だけでした。
その日を、私はいまでも忘れません、4年前の4月13日の夜8時20分です。
私は、何度も何度も迷い、ためらい、躊躇しながらも、ダイヤルを回してしまいました。
「もしもし・・・」男性の声がしました。
「山口さんのお宅ですか? 和也さんはいらっしゃいますでしょうか」
「私ですが…。」
和也が出たのです。
更新日:2017-02-17 18:48:40