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にの
光と陰。
太陽のように笑うこの人は、今は憂いを帯びて月のような色気をかもしだしている。
何かを決意した顔は、綺麗だった。
「ニノ?」
俺の視線に気づいたのか、まーくんはその色気を消してしまった。
見惚れていたのを、取り繕うように立ち上がる。
「なんか飲む?ビールでいい?」
「……うん」
気づいてないと思っているのか、ソファーに座ってため息ついてる。
何か、重要な事を伝えようとしている。
聞きたくない。
逃げたい。
その気持ちを隠して、まーくんにビールの缶を渡した。
隣に腰を下ろす。
「ツマミは、ないよ」
まーくんは立ち上がり、自分のバッグから、ビニール袋を取り出した。
「あるよ」
「用意がいいな」
「本当は台所借りて、作りたかったんだけどね」
「作ればいいじゃない」
「うん、今日はやめとく」
ツマミの袋を開けて、ボリボリ食べながら、ゴクゴクとビールを飲む。
その間、無言。
耐えきれずに声を出す。
「で、何の用?」
まーくんはずっと俯いたまま、ポツリと呟いた。
「俺……ニノのこと、好き」
俺も、好きだよ。
まーくんのこと、愛しているよ。
そう、言えたら。
「何言ってんだよ。もう酔ったの?」
「……ニノは俺のこと、どう思ってるの?」
顔を上げて俺を見つめる瞳は、俺の答えを待っている。
「好きだよ。おまえは親友だと思ってるし、メンバーだし」
まーくんの顔が歪んだ。
俺はおまえとの関係も壊したくないし、グループも壊したくないんだ。
だから、このまま。
俺の気持ちは、おまえには伝えない。
まーくんは、立ち上がった。
「まーくん?」
まーくんの瞳が、今まで見たことないような光を宿している。
まずい。
本能的に体は動く。
足は一番近いドア、寝室に向かっていた。
ドアを閉めようとした時、まーくんの手が見えた。
そして俺は後悔する。
まーくんをここまで追い詰めてしまった事を。
太陽のように笑うこの人は、今は憂いを帯びて月のような色気をかもしだしている。
何かを決意した顔は、綺麗だった。
「ニノ?」
俺の視線に気づいたのか、まーくんはその色気を消してしまった。
見惚れていたのを、取り繕うように立ち上がる。
「なんか飲む?ビールでいい?」
「……うん」
気づいてないと思っているのか、ソファーに座ってため息ついてる。
何か、重要な事を伝えようとしている。
聞きたくない。
逃げたい。
その気持ちを隠して、まーくんにビールの缶を渡した。
隣に腰を下ろす。
「ツマミは、ないよ」
まーくんは立ち上がり、自分のバッグから、ビニール袋を取り出した。
「あるよ」
「用意がいいな」
「本当は台所借りて、作りたかったんだけどね」
「作ればいいじゃない」
「うん、今日はやめとく」
ツマミの袋を開けて、ボリボリ食べながら、ゴクゴクとビールを飲む。
その間、無言。
耐えきれずに声を出す。
「で、何の用?」
まーくんはずっと俯いたまま、ポツリと呟いた。
「俺……ニノのこと、好き」
俺も、好きだよ。
まーくんのこと、愛しているよ。
そう、言えたら。
「何言ってんだよ。もう酔ったの?」
「……ニノは俺のこと、どう思ってるの?」
顔を上げて俺を見つめる瞳は、俺の答えを待っている。
「好きだよ。おまえは親友だと思ってるし、メンバーだし」
まーくんの顔が歪んだ。
俺はおまえとの関係も壊したくないし、グループも壊したくないんだ。
だから、このまま。
俺の気持ちは、おまえには伝えない。
まーくんは、立ち上がった。
「まーくん?」
まーくんの瞳が、今まで見たことないような光を宿している。
まずい。
本能的に体は動く。
足は一番近いドア、寝室に向かっていた。
ドアを閉めようとした時、まーくんの手が見えた。
そして俺は後悔する。
まーくんをここまで追い詰めてしまった事を。
更新日:2017-05-17 11:12:12