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天の涙

先生は言いました。
「それなら、こう考えるといい。君は、石が好きなんだ。石は空の中にもありますよ。星のことだよ。」
「先生、私は石を夜まで探して、空の中に星を見つけました。」
「そうですか。それはよかった。石はなくなってなどいない。きっと空にのぼったのだよ。そして、悲しいことだけど聞いてほしい。石を捨ててしまったのはきっとご両親だね。ご両親は悲しかったのだよ。人を愛さず、石を愛する君を。だから、君を悲しませたくて石を捨てたんじゃない。石を空の星に変えて、空の愛を君に教えてくれたんだ。
もちろんご両親は、空の中に神様の愛があることをわかっていないだろう。わかっていれば、君をこの病院に連れて来る前に君とちゃんと話をしてくれただろう。きっとご両親は君の愛し方がわからない人なのだ。だから石を捨ててしまった。でも、捨てたのは、本当はご両親ではない。空の愛なのだよ。ご両親は今ごろ泣いておられるだろう。君のことがわからないと思って。それは天の涙だよ。空の星や、空の愛と人はつながっているんだ。先生はそれを信じて人の心を大切にできる人に、君になってほしい。
石のことは思い出にしなさい。両親は君を愛していることを信じて大人になりなさい。先生の話はそれだけです。」

更新日:2016-12-26 14:42:33

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