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挿絵 236*354


1900年にドミートリィ・ミハイロフ侯爵が反逆罪で逮捕されると、弟のアレクセイは国外に亡命してしまったと聞く。奴を追って来たという少女がきっかけで、調査をさせてみた所、すでにロシアに帰国しているとの情報を得た。

亡命貴族にならずわざわざ戻って来たのは、兄同様政治運動に身を投じる覚悟でいるのか。愚かな。そんな男を追って来たらしい、あの娘にも呆れる。命の保障など、どこにもないのに。


屋敷の庭では、ライラックの花が咲き始めていた。少女が私の邸にやって来て数か月、彼女について分かったことといえば、名前が「ユリウス」ということだけだった。

更新日:2017-07-04 22:26:09

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我、汝を愛す【オルフェウスの窓ss Ⅵ 】