• 2 / 18 ページ

(ピカチュウの言う通りだよ?)

((!?))

(バタフリー!? 君聞いてたの!?)
(聞こえるでしょう、どんなに小声でも、ポケモンの聴覚なめないでよね、言っとくけど、僕だけじゃないよ?)

(チルット、ピカチュウ、2人だけでお月見ずるいわよ? 私も入れてよ)

(スズ、君も起きてたんだ)
(だって、こんな素敵なお月様、チルットと見たかったんですもの)
(! わたしと?)
(ええ、そうよ、私、あなた気に入ってるもの)
(!? どこを?)
(・・・あなたは、後ろ向きな考えしがち、そこは、ダメなところよ?)
(うっ)
(でも、サトシが言ってた通り、あなたは頑張り屋さんだわ、それも、誰かのことを思って頑張れる)
(!)
(誰でも、出来ることじゃないわ、みんな自分の事で背一杯が殆どで、自分のために力を欲しがるの、私もそうだった、生きる為に強くなりたい、そう思っていたわ)
(え?)
(私これでも、元捨てられたポケモンなのよ)
(!?)
(それは、私だけじゃないけどね? 街の中で生きていたら、森と一緒で、街にも、そこに住むポケモンの縄張りがあるの、その縄張りで生き抜いていくには、力が入るのよ、イーブイ全員で生きる為に、強い相手を掻い潜っていく、強くなければ、そこで生きてはいけない、他へ行く事も考えなかった訳じゃ無いけど、そんな勇気もなかったから、兎に角、街で生き抜かないとって、毎日必死だったわ)
(・・・)
((・・・))
スズ・・・
(でも、私は弱かったのよ・・・サトシに出会う前、路地裏で倒れていた時、ひしひしと感じたわ、冷たいコンクリートの感触今でも覚えてるわ、悔しくて悔しくて、悲しい寂しい、もっと強くなりたい、誰にも負けないくらいにって、そんな時だったわ、サトシと出会たのは)
(((!)))
(声が聞こえたの、「俺はお前達と生きていたい」って声が・・・私はその声に、もっともっと生きたいって思ったの、目が覚めて、サトシと初対面して、「お帰り」って言ってくれたわ・・・嬉しかった凄く)
(うん・・・僕も覚えてるよ、その時の事は)
ピカチュウだけじゃなく、フシギダネも、リザードンも、ゼニガメも、ピジョットも、覚えている

(「一緒に強くなろう、一緒に生きていこう、ずっとずっと一緒に居よう」)
(!)
(私、そこで初めて、自分以外の誰かを思えたと思うの、サトシと居たい、ずっと一緒に、その為にも、サトシの為に強くなりたい、サトシを守れるようになりたい)
(・・・)
(私今は、強くなれてる、サトシのお陰で)
(僕もそうだよ)
(!)

更新日:2016-12-16 13:18:50

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook