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鍋を囲もう!

「ちょっと洗剤をつけ過ぎよ。それから泡はよくすすいでね」
「工藤君、しっかり拭いてよね。まだ水滴が残っているわ」
「これはそっちの戸棚よ」
「あーん、そのお皿はそこじゃないわ、向こうの棚にあったのよ」
「それからフォークやスプーンはこの引き出しね」

『はいはい、哀お嬢様』

次々と指示を出す彼女に向かって工藤新一が執事のように畏まった態度で、
そう返事をする。

「工藤君、ふざけてる暇があったらさっさと手を動かしなさいよ。
いつになっても終わらないじゃない? はい、このお皿も洗ってね」

「ったく、オメー、人使いが荒いぜ」

お茶の間で人気急上昇中のあのイケメン俳優、工藤新一が────
まさか中学一年生の彼女の尻に敷かれてるなんて誰が想像できるだろうか。

工藤新一の世間の評判と言えば…………
ちょっと女たらしだけど、知的でクールでカッコいい。
その上、両親は世界的な有名人、まさしくセレブ俳優──。

これで女にモテないはずがない。

けれども、実際は巷の評判とは裏腹に…………
中学生の彼女に振り回されている少々情けない男だったりもする。

と同時に、何を差し出しても惜しくないほど彼女を溺愛していた。

十も年下の彼女なら可愛くても同然だが、いやいや、実は彼女は一つ年上だった──。

更新日:2017-05-30 00:36:26

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