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悩めるお年頃

「服部君と一緒に上で滑ってきていいわよ」

灰原哀が工藤新一にそう声をかけた。

「大丈夫か? オメーらだけで……」

「もう私たちも中学生よ。何も心配いらないわ」

「そうか」と哀の頭をよしよしと新一が撫でる。

哀は新一をジト目で睨んで心底嫌そうな顔をするが、
少年探偵団の前では哀も同じ子供扱いだ。

「元太、オメーも一緒に行くか?」

新一が小嶋元太にも声をかける。

「新一にいちゃん、俺、腹減ったからよ。
灰原たちとメシ食うよ」

「わかった、元太……じゃあ、俺と服部は上でひと滑りしてくっからよ、
オメーら、気をつけるんだぞ」

「はぁーい!」

吉田歩美が愛嬌のある可愛らしい声で返事をすると、
円谷光彦も「新一さんたちも気をつけて下さいね」とひと声かけて二人を見送った。

新一と服部がスキー板を外し、肩に担いで山頂行きのゴンドラ乗り場まで行くと、
華やかなスキーウエアに身を包んだ女性の三人組が近寄っていく。
女性たちは新一らに向かって何かを話しかけた。

「うわぁ、新一さんたち、早速ナンパされてるよー」

歩美がそう言えば…………

「まあ、お二人ともカッコいいですからね。
モテモテで羨ましいですよね」

光彦が羨望の眼差しで新一たちを眺めている。

哀も目を細めて新一の背をずっと追っていく。

すると、新一と服部が女三人と一緒に会話を交わしながら、
同じゴンドラへ仲良く乗り込んだ。

(まったく、油断も隙もないわね。
ちょっと私が見てないとこれだもの……あの女たらし!)

哀が珍しく焼きもちを焼いて機嫌を損ねていた──。

更新日:2017-05-30 00:36:06

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秘密のふたり シリーズ2 【コナンで新一×哀】