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【お題M:ほくろ】Nevus of fascination

※正式タイトルは「Nevus of fascination(太陽の黒点)」です


盗み見。座って、のんきにゲームやってる姿。
時々お菓子をつまんで、その指を咥える。
それでまたゲームやって、「あっ!」とか「うっ!」とか言いながら一人悔しがるのを。
俺が全部クリアしてやるのにって、思う。

そのうちクッションの上にiPad放り投げてぐでんと寝てしまうユノを。
ココア持ってきながら見下ろして。
胸の前で手を組んでる、その中指と。
目を閉じる、その美しい寝顔の唇のほくろ。
テーブルに、ココアを置きながら、目を閉じるユノの隣に座る。

きれいな顔。初めて見た時から、シュッとしたいい顔だと思った。
運命的にふたりで、暮らすようになってから。
いいところもいやなところもたくさん見てきた。ケンカだってたくさんしたけど。
その度いつも許せてしまうと思うのは、この人があまりにも美しいから。

若い頃はわからなかった。俺だって普通に女が好きだったし。
年上なのに、リーダーなのにステージを離れると途端に無邪気な子供になるあなたを。
一番そばで見つめて、支えて支えられ、いつしか恋をした。
その気持ちも、最初は錯覚だと思ってたけど。
ステージで見せるカリスマ性、プライベートで見せる顔の違い、でもそのどちらでも、壮絶に色っぽい、あなたを。
いつからか手に入れたいと、思い始めた。

当然、なかなか抱かれてはくれなかったけど。
寝込みを襲ったら案外反応が良くて。
そこから攻め込むことに決めた。もしかして経験あるんじゃねーかと思うほど。

あなたは、感度が良くて。

どこ見てもどこ触っても舐めても何しても。
俺が思う以上に乱れてくれるから。
開発のし甲斐があった。・・・今だって。
胸の上で組まれた手、その指のほくろに口づけると。
ゆるく開いた唇が、笑う。

「なに、すんだよ」
目を閉じたまま。
「指、きれいだな」
「・・・ん?」
ほくろのあたりを、軽く食む。ユノはくすぐったそうな顔をする。
「指だけじゃ、ないけど」
「・・・そぉ?」
「うん。・・・見せて」
え? 言って目を開ける、ユノの上に乗っかって。
ボタンを外してく。ええええ? って顔する、そのエロい唇のわずかに、上。
ほくろに、口づけて。
んんー? 不満げに唇を動かすユノは、俺の唇を求めてる。
手に入れてみれば、それ以上に、欲しくなった。

何度抱いても。
抱き足りない。
あなたを、押し開くたびに。
俺はずっと前から、あなたとこうしたかったんだと思う。
子供のまま、あなたに憧れてたあの頃から。
女を好きだと思ってた、あの頃から。
性別で言えばたぶん女が好きなんだけど。
圧倒的に男で、なのにどこか中性的なあなたが、たまらなく好きだ。
天使には性別がないという。だとしたらあなたも、きっと天使だね。

ふたりきりの夜が明けて。
ふたりきりになれない時間が続く。
あなたの所作を、笑顔を、見るたびに。

その黒点が、スイッチみたいに、俺を狂わす。






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ほくろ(ミンホ) ぱんさまに捧げます。

Nevus of fascination 魅惑の母斑(ほくろ)という意味です。
そのタイトルだけにしようかと思ったんですが
黒点、と考えたら太陽。ユノって太陽に例えられたりするから
太陽の黒点にしようかと思ったら、Sunspotになってしまって、それはちょっと違う?
なわけでサブタイトルにしました。

更新日:2016-11-03 14:21:22

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