官能小説

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ナイスハロウィン

 呼び出されたホテルの一室には、何の衣装合わせ?って思う程の大量の衣装が用意されていた。
 俺はその様子に驚きつつ部屋の奥に進み、呼び出した本人を捜した。
「相葉くん…居るの?」
 すると、奥のドアから声がした。
「ああ、もう来たんだ。早かったね!」
 未だ事態を呑み込めない俺は、ドアの前で躊躇した。果たして、このドアを開けて良いものかどうか。開けずに帰った方がいいんじゃないか?って。
 ノックの手前で固まってると、突然それは勢いよく開き、その向こうに、上半身裸の相葉くんが立っていた。
「な…!」
「おはよ。松潤」
 驚く俺をよそに、相葉くんは満面の笑顔。その顔には、どぎついメイクが施されていた。
「お…おはよ…じゃなくて、何だよ!これ!」
「何って、ハロウィンだよ!ハロウィン!!わかんない?」
「わかんねぇよ!だから何だって!」
「松潤、テーマパークで思いっ切り遊んだこと、ある?」
「えっ?」
「チャンスなんだよ!」
「だから、わかるように説明しろよ!」
「だから!今日、ハロウィンは、みんな仮装するでしょ?!ねっ?!」
「う…うん」
「俺、気付いたの!それに乗っかっちゃえば、俺らだってバレずにどこへだって行けるし、何だってできちゃうってことに!」
「それで?」
「だからチャンスなの!テーマパークで思いっ切り遊べるってゆうねっ?!」
「仮装してテーマパーク…」
「一緒に行こう!二人で!」
「二人で?!」
「今から!」
「マジ?!」
「名付けて、ハロウィン大作戦!」
「何だよそれ…」
 という、相葉くんの無鉄砲な計画の下、半ば強引に、半ばやけくそで、衣装選びが始まった。
「俺ね、考えたんだけどさ。何になれば一番バレないか」
 俺のテンションと相反して、ハイテンションな相葉くんが衣装を物色する。
「やっぱさ。意外なのがいいと思うんだよね。俺らがそんなカッコするなんて思いもよらないようなさっ」
 そう言って差し出してきたのは、丈の短いスカートだった。
「はあ?!」
「女装だよ!女装!!やっぱそれが一番なんじゃないかって!」
「いや、ない!それは、いくらなんでもないわ」
「大丈夫!大丈夫!!なんたってハロウィンなんだから。ちゃんとコンセプトはできてんだから」
 丸で、ハロウィンという強力な免罪符でも手に入れたかのように、今日の相葉くんは、いつにも増して無敵だ。
「ジャ、ジャーン!!どう?いい感じでしょ?」
 鏡に映る自分達の姿に目を見張る。
「クオリティ高…」
 鏡に映るのは、女ドラキュラと魔女。
 相葉くんは、つばの広い先の曲がった三角帽の下は、不揃いな長さの茶髪のセミロングのカツラ。黒のシンプルなワンピースに黒のタイツ、赤いペッタンコのパンプス。胸に入れた巨大な詰め物は、なんか妙にリアルに揺れる。時折、相葉くんの男らしい手が、その胸を下から鷲掴みに持ち上げる様は、見てはいけないものを見てしまったような気持ちになってギョッとする。因みに、メイクは肌を蒼白く塗って、真紅の口紅が口より大きく裂けていて、可愛い笑顔が少し不気味で、これぞハロウィンって感じに仕上げている。
 俺はというと、ロングの金髪のカツラには緩いウェーブ。首にはチョーカー。フリルの凄い黒のワンピースの腰をコルセットで締め上げて、フワリと広がったスカートとの対比をみせている。その下は、マーブル模様のカラフルなタイツと、少し高さのある黒のロングブーツを履かされた。
 相葉くんと同じように顔色の悪いメイクに真紅の口紅。口の端からは、タラリと血を垂らし、牙も付けた。そして極めつけは、金(ゴールド)のカラコンだ。
「なんたって本職の方々にやっていただいたからね」
 相葉くんの仲良しのスタッフの知り合いだってゆう、スタイリストさんとメイクさんに鏡越しに手を振って、相葉くんは最後の仕上げにダテ眼鏡を掛けた。
「大丈夫!これで、どこからどう見ても外国人女性だよ。背の高さもガタイの大きさも気になんないって!」
「本当かなぁ…」
 俺は不安な気持ちをマントに包み、相葉くんは箒を持ってホテルを出た。
 出たそこはもう、超有名キャラクター達が歌い踊る夢の国。
 そして今は、俺らと同じように、思い思いの仮装を楽しむゲストに溢れた場所。

更新日:2016-10-29 16:31:01

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