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陽てるところ
ゆっくりと瞼を上げた。
カーテンの隙間から入ってくる陽の光は明るい。
肩に掛かる重み、視線を上げると上下する厚い胸板が目に入ってきた。
自分の肩に掛かっているのは、逞しい男の腕。
「アレクセイ・・・」
声をかけたが、男は目を開ける気配がない。
肩に掛かった腕をはずし、半身を起こした。無防備に眠る彼を見つめていると、ふっと口元が緩む。
優しい色合いの髪、男らしい輪郭、自分とはまるで違う肩。腕に沿うように張っている筋肉。そこかしこにある傷跡。
それに相反して、眠る顔は少年のようだった。
記憶を無くしているから、ドイツの頃のことはアレクセイから聞くしかない。彼も、自分の知る範囲でしか話をしてくれない。
それでも、眠る彼を見ていると少年の頃の彼がどんな様子だったのかと、思いをはせることができるようだった。
「愛しているよ、アレクセイ」
額に掛かる亜麻色の髪をそっとかき上げ、そのほほに唇を落とした。
カーテンの隙間から入ってくる陽の光は明るい。
肩に掛かる重み、視線を上げると上下する厚い胸板が目に入ってきた。
自分の肩に掛かっているのは、逞しい男の腕。
「アレクセイ・・・」
声をかけたが、男は目を開ける気配がない。
肩に掛かった腕をはずし、半身を起こした。無防備に眠る彼を見つめていると、ふっと口元が緩む。
優しい色合いの髪、男らしい輪郭、自分とはまるで違う肩。腕に沿うように張っている筋肉。そこかしこにある傷跡。
それに相反して、眠る顔は少年のようだった。
記憶を無くしているから、ドイツの頃のことはアレクセイから聞くしかない。彼も、自分の知る範囲でしか話をしてくれない。
それでも、眠る彼を見ていると少年の頃の彼がどんな様子だったのかと、思いをはせることができるようだった。
「愛しているよ、アレクセイ」
額に掛かる亜麻色の髪をそっとかき上げ、そのほほに唇を落とした。
更新日:2016-10-19 22:24:22