官能小説

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よんじゅうに☆

…夜も更けた時分、

「ん…あんっ…!」

屋敷の寝室では、フローラとマリウスの二人がベッドの上で久しぶりにセックスに睦んでいた。

「ん…、フローラ、ちゃん…」

フローラの上に乗って腰を振っていたマリウスが吐息と共に微かに喘いだ。

「あ、ああ…ん…そこ、そこ、いい…いい、のお…っ!」

中の特に感じる部分を攻められて更に中がきゅっと締まるのを感じ、悦びの声をあげる。

「フロ…ーラ、ちゃ…そんな締め、て…っ!」

いよいよ腰の動きが激しくなると、二人して理性を無くしまるで獣のように叫ぶ。

「あ、ああんっ!いく、いくいっちゃあ…っ!」

ぴくぴくと身体を痙攣させて先にフローラが逝ってしまうと、自分の中にあるマリウスのモノを締め付けるようにきゅっと肉襞が蠢き、遅れて彼を頂点へと導いていった。

「凄い…締め付け…ああ…!」

遅れて逝ったマリウスもフローラの中に己の精を放ち、彼女の身体の上に倒れこんだ。

「ああ…気持ちいい…」

「マリウス…」

暫くの間そのままお互いに抱きしめあったまま微睡んでいたが、

「ねえ、マリウス」

ふとフローラが声をかけてきた。

「ん、なーにフローラちゃん?」

半ば眠りかけていたマリウスが朧気気味に返事をする。

「…子供…」

「…?」

「子供、出来ると良いな…」

「こども?」

マリウスが聞き返すと、フローラは幸せそうな笑みを返すのだった。

「うん、マリウスとの子供欲しいの。私ね、ずっと夢見ていたの。好きな男性(ひと)と結婚して子供が産まれて…お金が無くても家族一緒にささやかにでも幸せに暮らすって事…」

「でも僕のところは沢山お金あるよー」

「それくらい解っているわよ…でもお金が無くても、地位や名誉が無くても、それでも良いの。マリウスと私達の子供達とずっと一緒にいられたら、それだけで私幸せなの」

…私を好きになってくれた貴方だから、私が好きになった貴方だから、私は貴方の傍にずっといたい…。

「そっかあ…」

…誰がお前のような馬鹿な女の子供など欲しいものか。
君は知らないだけで、僕は媚薬を飲んでいるから君のような尻軽な女にも欲情してるだけなんだよ。
第一僕は避妊薬も飲んでいるから、君が妊娠する事なんて万が一にも無いさ。本当に馬鹿な女…。

「ねえ、私達の子供って、どんな子になるのかしら?」

そんな彼の気持ちなど全く気付いていない彼女は、彼に身体を擦り寄せながら更に話を進めていく。

「んー、女の子だったら将来はフローラちゃんのようなナイスバディな…娼婦?」

「…ナイスバディはともかく、絶対娼婦にはしないわよっ!」

「あ…そうか、そうだよね。じゃあフローラちゃんのような幸せなお嫁さんとか!」

「……ちょっと微妙だわ」

…マリウスとの結婚も、最初は借金の形での政略結婚だったしね。
まあ、結果が良かったから今はこれでいいんだけどね…。
それでもやっぱ政略結婚は嫌だわ。

「で、男の子だったら僕のような官僚にさせるの!」

「……はあ…」

…マリウスのような官僚にねぇ…それもちょっと微妙だわ。
今のマリウスになる前の頭脳と今のマリウスの素直さと純情さなら良いけど…でも素直過ぎるのも困りものね、それだと官僚には全く向かないし…。

更新日:2016-11-03 07:04:42

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