官能小説

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…ああ、そうなのね。レイスも、彼も本当は調教師(レイナー)になりたくてなった訳ではないのね。
出来る事ならば、娼婦街(ここ)から出て、普通の男として、普通に愛する女性と結婚して普通に働いて暮らしていきたいだけなのね。私と一緒なのね。

でも、今の私達はそれが許されない立場…。

「行くわ」

「え?」

「貴方についていくわ。私はずっと貴方の傍にいる。たとえそれが地獄の闇の中でも、貴方についていくわ」

そう決意の呟きを洩らし、フレイアはレイスの胸にぎゅっとしがみついた。

「フレイア…」

自分の胸にしがみつくフレイアの身体を抱き締め、額に口づけをしたその時、遠くからぱたぱたと足音が聞こえてきた。

「…?」

やがて足音はだんだん大きく荒くなってきて、レイス達の居る部屋の前でぴたりと止まると突然荒々しい物音がして扉が開き、ひとりの人物が部屋へと上がりこんできた。

「クライドさん」

「クライド!」

それは上半身裸でズボン姿のままのクライドだった。

「レイス…それにフレイア、何故お前がここに居るんだ!」

ベッドで抱き合う二人の姿を見たクライドはその表情を怒りのそれに変え、まるで視線で射殺すかのように忌々しく二人を睨み付けるのであった。

更新日:2017-04-29 16:56:04

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