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開かずの改札口

挿絵 640*480




田舎道を駅へ向かって小走りに急いでいる。

紺色の制服の女子学生が折り返しの坂道を下って
電車に向かって走っていく姿が見えた。

彼女が最後で、折り返し地点にある改札は一旦閉じる。
次の逆向き電車が入るまで開かずの改札口になるという。

そんな話は聞いていないが、どうやら事実のようだ。
しかし、次の電車まで待っていられなかった。

改札口のすぐ隣に鉄柵の隙間があって 
そこから川の土手のような小道が続いている。

「そこから行っても、あたしゃ無駄だと思うけどね」
制帽をかぶった改札口の職員が言う。

すぐ前の若い女性客はためらっているが私は進む。
「ホームにつながっていなくとも、可能性あるなら」

小道は川の上を渡り、曲がった砂利道に出る。
正面の坂道の上からバスが下ってくる。

すると、待っていたのは電車ではなくバスであったか。
そのような気もするので、そのバスに乗ろうとする。

うまく切符を受け取れるだろうか、ちょっと心配。

そのバスにかつて乗った記憶はないが、なぜか 
乳をもみたがる女がバスの中にいるような予感がする。

更新日:2016-08-27 12:51:22

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