インタビュー
僕たちはインタビューのようなものを受けている。
試合でもあって勝ち上がったのだろう。
あまりにも個人的な質問が降り注ぐ。
「生まれて初めて憎しみを覚えた相手は誰ですか?」
答えにくい内容ばかりだ。
「あなたです」
その時に僕の内部で不安が生まれる。
このメンバーときたら、どうだ。
文書偽造とは言わないまでも、肩身が狭い。
「逃げてもかまいませんよ」
誰かが僕にささやく。
ああ、そうだ。
僕には使命があったはずだ。
足もとに落ちていた拳銃を拾い上げると
僕は人混みをかき分けて会場から逃げ出した。
更新日:2016-08-22 11:06:07