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Funny Days in Beika Town

「ふぁぁああああ」

大きなアクビとともに目を覚ます。

「ふぅ、よく寝たなぁー。んッ、今、何時だ?」

左手にはめた腕時計で時間を確認しようとすると、
俺の手はがっしりと握られていて……動かなかった。

隣を見れば、俺の肩に頭をもたれかかるようにして、
小さな寝息を立てながら灰原がスヤスヤと眠っている。

しかも、膝に置いた俺の左手の甲に手の平を重ね、
彼女がしっかりと俺の手を握り締めていた。

(バーロー、何、可愛いことしてんだよ)

俺より少し小さな彼女の手。

手を繋いでる時とはまた違って、
俺の手を包み込んだ手の平がふっくらと柔らかくて暖かい。

『ほらな、服部、彼女、可愛いだろう?』

思わず服部に自慢したくなるような可愛い気のある彼女の寝姿に、
身体の奥がむずむずと疼いてくる。

(けどよ、やっぱこれで我慢しろつー方が無理な話だよな。
てか、こいつ、いつ帰ってきたんだ?)

彼女を起こさないように、右手でジャケットのポケットに入れていた携帯を取り出して、
時間を確認すれば、まだ搭乗予定のLA便は出発時刻まで二時間近くもある。

博士を見送った後、俺たちは早めにランチを済ませて買い物をし、
それから出国手続きを終えると、ビジネスクラス用のラウンジに来ていた。

ラウンジルームとは航空会社がビジネスやファーストクラス利用者対象に、
搭乗時間までリラックスして過ごせるようにと提供している特別な待合室のことだ。

無料でドリンクや軽食が用意されているだけでなく、新聞雑誌の読み物類、
ビジネス用にPC、FAX、プリンター等、他にもマッサージチェアなんかもおいてあり、
サービスはなかなか充実している。

何より仮眠できるようなちょっと贅沢なソファやリクライニングの椅子があったりして、
空港で長い待ち時間を潰すには結構快適だ。

更新日:2018-06-22 21:03:17

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