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現代曲による選曲

3) 現代曲による選曲

 昨今,アルペジョーネの音色やイメージを膨らませた楽曲を提供する作曲家が現れている.
 オルブラント(Kris Oelbrandt, 1972-)は,「アルペジョーネのための"モノローグ"」を作曲した.14)
 アルペジョーネのソロ演奏をアルペジョーネ奏者,デルタイユに委託しており,2012年日本公演により世界初演を果たした .

 一方,ローゼンシャイン(Dov Rosenshein, 1981-)は,2013年アルペジョーネ,フルート,ピアノトリオのためのソナタ「ロマンス・3部作品」を作曲した .15)
 東京ブリュッセルズトリオにより委託演奏され,世界初演となったこのソナタは,アルペジョーネの音色を上手に引き出し,しかもシューベルトの同ソナタの牧歌的なイメージを継承するような表現を醸し出している.
 同トリオのメンバー,デルタイユは,50曲以上の現代曲を初演するアルペジョーネの名手であるが,日本公演の際には筆者の作品(アントン・ミッタイスモデル )を毎回使用している.

 最後に,日本においてアルペジョーネ楽器をどう普及するべきか.この課題の解決には,日本の唱歌,童謡を採りあげることが近道であるだろう.
 例えば,“日本のシューベルト”と称される滝廉太郎「荒城の月」と ピアノソナタ第14番「月光ソナタ」(ベートーヴェン作曲の編曲版),または成田為三「浜辺の歌」などは世界的にもよく知られる.
 これらの楽曲は,哀愁に満ち渋い音色をもったアルペジョーネが奏でるメロディよって,端正な音域をとらえて朗々とうたってくれるにちがいなかろう.

更新日:2016-03-14 22:48:24

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シューベルトが愛した弦楽器・アルペジョーネ