官能小説

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「義一君、どうする?」、

背中で幼馴染が苛々している。


「ああ、悪い・・、まだ決めてなかった
んだ・・・どうしたい佐智?」、

ポリポリと頭をかくと



「じゃあ、僕の好きな曲でいいね!」、

そう言ってひらりと衣装の裾をなびかせ、
すたすたとステージへと向かった。





今日は、俺がリクエストした曲を弾いて
くれるという佐智。

気の強い態度とは裏腹に、ずっと俺を支え
てくれている。



俺の聞きたい曲をリクエストするとなると、
結局、同じ曲になってしまう。




俺の為に、毎晩、託生が引いてくれてた
あの曲に。





佐智は、ちゃんと、間違える。

託生が、いつも、間違えた個所を。





あれから、いつまでも、俺の中でその曲が
流れ続けているんだ。






更新日:2017-06-19 14:57:04

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