官能小説

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「どうした?ギイ・・」、

章三が、俺の背中を叩いた。



今は、Fグループの本社の建築チーム
で、働いている。

公私ともに、俺を支える力強い右腕だ。




「今日は、情けなくなるが・・・頼むな・・」、

俯いた俺に


「そんなのいつもの事だろう、俺は、そんな
お前しか知らないけどな」、

ニヤニヤと楽しそうに笑い


「いいんじゃないか、今日くらい泣いても
さ・・・」、

バシッと背中を叩いてからその表情を
昔の風紀委員長へと切り替えて皆の
テーブルに向かった。



声と音楽と混ざり合うホール。

奥のテーブルを囲んで黒髪の男性達が
笑顔を見せている。

それはあの祠堂の仲間達。




そしてあの事故に関わった仲間の
家族が花束と写真を抱えて次々と
やってくる。






今日は、身内だけの記念式典。








真ん中のテーブルには、その時、
命を落とした仲間たちの写真が並んで
いる。


笑顔の写真。


子供と笑う写真。


彼女との、素敵なツーショット。


結婚式の写真。


ハイドは、カレンと一緒に笑っている写真
だった。






そして、その隣のテーブルには、沢山の
ピンクのバラに囲まれた写真がある。


ブルーのジャケットを着た俺に、

抱きしめられた・・・・


笑顔の、託生の写真が。






託生のおかげで生き延びた俺達。





逢いたいのに、会って抱きしめたいのに、

お前はいない。







更新日:2017-06-02 20:11:59

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