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愛の営み

「今日は俺が準備します」
 そう言って伊勢丹が通和散を三越の菊門に塗り込める。なるべくやりやすいように大きく足を開きながら、三越は伊勢丹の首に手を回し、唇を重ねて舌を絡める。
「んっ…ふぅ……もっとたっぷり使って…」
 不慣れな伊勢丹を導きながら、なるべく体の力を抜き、伊勢丹の指が前立腺に当たるように腰の角度を変えてやる。
「んっ……じょうずっ…」
 最初はおずおずと躊躇いがちだった指の動きは、三越の菊門が熱く熟れていくにしたがい徐々に大胆に、抜き差しする本数を増やしていく。
「三越さん、三越さん」
 三越の名を呼ぶ伊勢丹の分身は、窮屈そうに越中の中で硬くなり、淫らな染みを作っている。
「伊勢丹、もういいからおいで」
 するり、と褌を解いてやれば、先走りで光る、限界まで張りつめた伊勢丹の欲望が姿を見せる。
「んっんっ……」
 三越が入口まで誘ってやると、伊勢丹は腰を震わせながらずずっと押しつける。
「んっ…全部入った……」
 しがみつく伊勢丹の背を優しく撫でてやる。
「三越さん、そんな風に締めないで…」
 出ちゃうから…と半泣きになる伊勢丹の髪を優しく梳く。
 締めつけているつもりはないのだが、自分の内側は、男根を受け入れると無意識に蠕動する性質のようだ。
「でもこのままでは辛いだろう?一度吐き出して落ち着いたらどうだ?大丈夫、恥ずかしくないし、何度もするうちに持つようになるから」
 耳元であやしながら、三越は小刻みに腰を揺する。
「三越さっ……」
 びくっと体が強張った一拍置いて、びゅくびゅくと三越の中に熱い精が吐き出される。吐き出してもなお、衰えぬ伊勢丹の若さに、いささか三越は驚いた。太夫を買えるような客は身分や財力があるものに限られるので、年齢がどうしても高くなる。故に、今まで相手にしてきた客は一度吐き出せば回復にかなりの時間を要したものだったし、角度や硬度も伊勢丹とは比べれば貧弱なものだった。
「伊勢丹、落ち着いたらゆっくりと腰を動かせばいい……んんっ…そう焦るなっ」
 間を置かず腰を打ち付けてくる伊勢丹に、三越はぴくりと背を丸める。
「だって気持ち良くて……」
 ぽたり、ぽたりと汗を垂らしながら、伊勢丹は力強く三越を突き上げる。
「あ…っ…」
好いた男に求められるのがこんなにも嬉しく、そしてこんなにも官能狂おしいものだとは思いもよらなかった。体の火照りは静まることなく、媚肉はひくひくと、どん欲なまでに伊勢丹に絡みつきながら奥へ奥へと飲み込んで離さない。思わず腰が引ける三越に、追いすがってくる伊勢丹の体。ぴったりと密着し、腹と腹に挟まれた三越の屹立は、激しく揺さぶられる度ぐちゃぐちゃと音を立ててこすられる。
「いせた…あっ…もうっ…もう果てるっ」
背を弓なりにし、欲を吐き出すと同時に中に咥えこんだ伊勢丹の欲望も果てた。
「三越さ…っ…俺…っ…」
 汗で貼りつく前髪を拭ってやりながら、伊勢丹の頬を軽く撫でる。
「今度はちゃんと、二人一緒に果てたな。わかるだろう?」
「三越さん、大好きです」
 嬉しそうに伊勢丹が笑う。ああ、自分はこの笑顔がたまらなく愛しい。
 軽く口を吸いながら、互いの体温を心地良く感じていると、力を無くした伊勢丹の分身がむくむくと力を取り戻していく。
「伊勢丹!?」
「三越さん、俺また……」
 焦る三越をよそに、我慢の利かぬ若い体は三越を求めて再び揺さぶりを開始する。
「お前には長命丸は無用の長物だよ」
 南部から贈られたあの薬、早々に捨てさせねば、と三越は強く思った。

更新日:2016-01-03 13:15:00

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