それにしても、この少女は一体何者なのか…。

それは誰もが思っていた。

「…お兄ちゃんは…それで良いの？本当に…。望みは無いの？」

少女は語りかける。

「…良いんだよ。オレの望みは…、みんなが生きてくれることだ。笑顔で…前を向いて…自分の夢に向かって。オレは夢を叶えられないから。大好きなみんなが生きてくれるなら…それで」

と、サトシは少女に寂しげな笑みを向けながら言った。

「…そっか。お姉ちゃんから伝言があったの」

と少女は言う。

伝言とは何なのだろうか。

「¨サトシ、あの時の事を悔やまなくていいの。あなたのおかげで人間を嫌いにならなくてすんだから。私は後悔してない。あなたを守れたから。あの時の忠告を忘れないで¨って。お姉ちゃんは凄く気にしてた。悔やんでるんじゃないかって」

少女は言う。