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「何の用だよ」

ふくれっ面の大野さん。
俺を玄関に通してくれたけど、その先に招こうとしない。
俺はスポーツバックを置いた。

「なんだ?その荷物」

それには答えないで、大野さんに抱きついた。

「ニノ!」

大野さんは俺を引き剥がそうとする。

「なんなんだよ!おまえは!俺の事なんて何とも思ってないんだろ!」

「思ってないわけないだろ!」

「へ?」

大野さんの手が止まった。

「思ってなかったら、こんなに考えないよ!あなたの事」

潤くんに言われて、俺は考えたよ。
どうして、自分の気持ちがわからないか。
大野さんの事は好きだ。
でも、俺は考えてしまう。
大野さんとの、その後を。
俺は、オトコで。
大野さんも、オトコで。
ソノコトを考えると、怖くて怖くて。
だから、自分の気持ちに蓋をした。

大野さんに、好かれているだけ。
それだけ、なんだ、と。

「ニノ・・・」

大野さんが俺の頭を撫でた。

「泣くなよ」

「泣いてないです」

大野さんは、ふう、と息を吐いた。

「俺の事、好き?」

「嫌いです」

「そう」

嫌いだって言ってるのに、大野さんは俺を優しく抱きしめた。

「俺はニノの事、好きだよ」

「ぐす」

「泣くなよ」

「泣いてないです」

更新日:2016-05-21 21:20:40

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