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「ニノ、ちゅー」

俺は白い目でその人物を見やる。
目を閉じて、唇を尖らせて。
可愛らしいとは思うが、こいつの手に乗ってやることはない。
俺は携帯に視線を移した。
その途端顔を掴まれ、大野さんにキスされる。
今日のキスは、何かを予感させるキス。
でも俺はそれに流されない。

大野さんの進入を阻む。

「ニノー」

不満を声に出して、ベロベロと俺の唇を舐め出す大野さん。

気持ち悪いわ!

大野さんを引き剥がして、ゴシゴシと唇を擦った。

「そんなに、嫌?」

「嫌じゃないですよ。気分が乗らないだけ」

「なら、抱きしめて、いい?」

不安そうな大野さんの顔。
俺はわざと大げさにため息をついて、両手を広げる。
大野さんは俺に抱きついてきた。
ふわん、といつもの大野さんの匂い。

「ニノは、これが好きだなあ」


大野さんの嬉しそうな声には、答えてやらない。
結局我慢できなくて、大野さんの背中に腕を回してしまった、から。

更新日:2015-11-23 20:06:13

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