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(.゚ー゚)「離せ離せ離せ、バカ!」

和也はジタバタと暴れますが、相手は馬鹿力の雅紀。
敢え無く雅紀の寝所に連れ込まれてしまいます。
ドスンと降ろされた場所に、和也は寒気を思えます。

(.゚ー゚)「俺を……どうする気ですか?」

(‘◇‘)「君が好きなんだよ、和也」

その顔に、表情に、キュンとしてしまうのは何故だろう?
それでも、和也はこの後の事を知っているから怖くなります。
ジリジリと距離を縮めようとする雅紀と、雅紀から離れようとする和也。
しかしあっという間に雅紀に抱きしめられてしまいます。

(‘◇‘)「好きだよ、和也」

耳元に甘い声音で囁かれて、和也は嬉しくなります。
でも。

(.゚ー゚)「俺が……漢でも?」

(‘◇‘)「え?」

(.゚ー゚)「俺が、漢でも……好き?」

雅紀がバッと和也を引き離して、その顔を、カラダを、ジッと見つめます。

(.゚ー゚)「俺の両親は、俺たち……俺と智を女として育てたんです。俺は正真正銘の漢ですよ。何なら、見せましょうか?」

(‘◇‘)「うん」

漢の無神経な一言に怒りを覚えながら、和也は自分の服に手をかけました。
その途端、漢に手首を掴まれます。

(‘◇‘)「俺は、漢でも女でも、和也が好き。だから和也が生まれたままの姿になったら、俺のお嫁さんにするよ?」

(.゚ー゚)「俺が……どちらでも?」

(‘◇‘)「うん」

今まで気づかれるのが怖くて、人を近づけなかったのに。
前の家も、和也と智が漢だと知られそうになって、引っ越したのだ。
周りには両親と智しかいない世界。
それが普通だった。
その世界に、自分を好きだと、おまえ自身が好きだと、言ってくれる人が現れた。

気づけば和也は泣いていました。
雅紀はそっと涙を拭ってあげます。

(.゚ー゚)「……名前、教えて?」

(‘◇‘)「雅紀、雅紀だよ。和也」

雅紀は和也にキスして言いました。

(‘◇‘)「ねぇ、和也。一目惚れって信じる?」

更新日:2015-11-18 21:34:35

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