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鬼畜達から破天荒を守らなければ、と思っていた子供の頃の気持ちがそのまま胸のどこかにあるからだった。
「だからおやびんがお前と旅を続ける事も、腹が立たねえんだ」
 ボーボボは、矢張りバックドロップにするべきだった、と思ったが、タイミングを逃したのでただ後悔だけをして、どう返せば良いのか解らなくて沈黙が訪れた。そうして二人黙っていると破天荒の膝の上に首領パッチが来て、またバカになっちゃうあの可愛かった破天荒を返して、とボーボボは思ったが、破天荒はリアクションなく別の話題を切り出すだけで、首領パッチが絵本を読み終わると伺いを立てた。
「おやびん、すいません。小一時間ほど月光浴に行きたいんですが」
「おう、そのまんま寝ちまうなよ」
 ハジケ組の癖に気障な言い回しをする破天荒にボーボボはツッコミを入れたいが妙に感傷的になってしまって出来ず、そして首領パッチと通じ合っている感じに胸がモヤモヤするが、自分には到底似合わない感覚を持て余してただ見送るだけでいた。


END

更新日:2015-11-11 11:32:09

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