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俺は、常務をクーラーの効いた会議室に案内して次の仕事の打ち合わせを始めた。

常務「矢内ちゃ〜ん、書類ありがとね♪」
矢内「いえ、それで常務、次の仕事って言うのは?」
常務「それなんだけど、ゼクス商会って所からの依頼なんだけどね〜。この資料見てくれるかしら。」

ゼクス商会?初めて聞く所だ。えっと何々、スターゲート新築設置工事?映画会社からの仕事か!

矢内「社長!この仕事引き受けましょう!俺、スターゲートのファンなんです!」
社長「お前、何言ってねん!まだ仕事の内容聞いてへんやろ!アホか!」

アホはお前だ、ハゲ!あのスターゲートだぞ。映画のスタッフロールに名前が載るんだぞ!無理してでも受けるだろ!

常務「いや〜矢内ちゃんが乗り気で良かったわ〜。納期は無いけど任せたからね〜。」
矢内「はい!喜んで!」

そうして常務は帰って行った。

社長「はい、喜んで!っとちゃうわ。居酒屋か!何勝手に仕事引き受けてんねん!」
矢内「でも社長、この見積もり見てください。1つ作って六千万の仕事ですよ。全部で十機作ることになるから全部で六億ですよ!」
社長「ちょっと資料見せてみろ。…………こんな簡単な鉄の輪っか作るだけか!よし、直ぐに下請けに作らせる!金額は黙っとけよ。ハリウッド様々やなぁ。ハハハ!ランボルギーニでも買うかな?」

凄い仕事だ。こんな簡単な仕事で六億!そしてハリウッド映画のスタッフロールに俺の名前が載る!こうしてはいられない。俺も今からサインの練習をしないと。

勇者「あの、賢者さま。」

あぁ、居たのか。あまりの事で忘れていた。

更新日:2016-10-28 23:24:14

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