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俺達はゲートを通ってファンタルジニアに来た。どこのどいつだ!ぶっ飛ばしてやる!

サチ「あいつよ…。賢者さん、ぶっ飛ばして…。」
矢内「」

なんだ!あれは!俺はサチが指を指した方向を見た。馬鹿デカいタコがいる。

サチ「あのクラーケンよ…。」
勇者「賢者さま、あいつが邪魔で橋が通れないのです…。」
矢内「とりあえず………退却だ!」
勇者「えっ?」
矢内「えっ?じゃねぇ!!逃げるんだよ!」

俺達は全速力で橋の麓まで逃げた。麓の先にはエリカ達が待っていた。

エリカ「あっ!みんな帰って来た!賢者、お前汚い格好だなぁ。」

黙れ、これは会社の作業服だ。

矢内「お前ら、どういう事だ!ちゃんと説明しろよ!」
勇者「橋の上に大きな魔物が居ます。」

見たら分かるわ!

エリカ「すげぇデカいんだよ!」

見たら分かるわ!

アリマ君「キー!キー!キー!」

分からねえよ…。

サチ「これからこの大橋を渡って国境を越えて北の国に行くのだけど人が通ろうとするとあのクラーケンが出て来て行くてを阻むのよ…。毎日居ないのだからたまには知恵を出して役に立ちなさいってことよ…。」

なんて物の言い方だ、この女!今日のコイツの飯は死なない程度の下剤を混ぜてやろう

矢内「橋を渡ろうとすると現れるのか…。相手は海の魔物だ。船も駄目だな…。」
エリカ「あっ!分かった!端を渡らないで真ん中を渡ればいいんだよ!見てろよ!」

そう言ってエリカは橋を渡って行った。そんな一休さんみたいなトンチが通用するか、馬鹿が!!

エリカ「ウワー!」ボチャーン!

エリカはクラーケンの足に捕まり海に投げ飛ばされた。

勇者「エリカにゃんはお馬鹿さんですねぇ…。」
矢内「通ろうとするとああやって海に落とされるんだな…。」
勇者「橋の上に魔物が現れるので橋の下を捕まりながら行きましょう!見てて下さい!」

海に居る魔物だから丸見えだろうが…。

勇者「あっ!そんな…海から現れるなんて!ウワー!」ボチャーン!

勇者もクラーケンに捕まり海に投げ飛ばされた。そらそうだ…。

サチ「賢者さん…。私の苦労が少しでも分かったかしら?」
矢内「ああ、すまんな…。」

俺が悪い訳では無いが一応、謝った。

勇者「賢者さま!なんで助けてくれなかったのですか…。」
エリカ「そうだー!あたし達びしょ濡れになったじゃないか!」

知るか!!

更新日:2016-09-20 00:14:49

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