• 9 / 16 ページ

第9話 : 2日前 ~JJ side

翌日からは、フェスティバルでのポジションが違う事もあり、昼間、ユノと長い時間顔を合わせるような事はなかった。
でも、すれ違いざまに声を掛け合うような時間は結構あって、それが楽しみだった。
「まずは俺達が『仲良く』しないと」とは、遠慮なくイチャつきたいがための言い訳のようでもあったが、ユノと同じ場所で時を過ごしていたら、本当にそれが一番だと思えて来た。

そして夜は、兵長が寝たのを確認した後、こっそりキスを交わした。
キスは日々大胆になって行き、最初の日は軽く触れただけだったのが、だんだん深く長くなって行き、二度三度とキスするようになり…。
フェスティバルの2日前には、ついにユノが俺の服に手を伸ばして来た。

「ちょっと!これ以上はダメ」
「…イヤだった?」
ユノが慌てて手を引っ込めてオロオロした顔をするから、勘違いさせたかと思い、急いで、
「イヤじゃない!」と言う。
「イヤじゃないけど…ここ2人だけじゃないし」
「…そうか」
残念そうに、ユノは自分の布団に戻った。
止めたのは自分なのに、そこは「大丈夫だから」ともう少し先に進めて欲しかったな、などと物足りなくなる。
でも、やっぱりここでは無理か。それなら…

「ねえ、ユノ。このフェスが終わった後の休暇でお泊まりデートしようか」
ユノがパッと分かりやすく顔を輝かせて俺の方に体を向ける。
「ホントに?いいね、約束だよ。ジェジュンはどこに行きたい?」
「うーん。現実問題、外を出歩くわけには行かないだろう?あまり人が来ない所にある景色のいい旅館、とか」
「それって、やる事は一つだよな」
「バカッ!でも…まあそうなるよね」
「ジェジュンは欲望に忠実だから好き」
「ユノは欲望を満たしてくれるから好き」
「…我慢出来なくなるから寝よう」
ユノは、そう言って…数秒もしないうちに「トイレ」と、そそくさと部屋を出て行った。

(トイレね!)
俺は布団の中で笑いを噛み殺した…

更新日:2015-11-04 22:03:59

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook