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第7話 : 1週間前⑤ ~YJ side

〜 JJ side 〜

「チョン・ユノです。よろしくお願いします」と一礼したユノは、頭を上げた後、はっきりと俺だけを見た。
俺だけにしか見せない、あの熱い視線で…。
(俺、まだユノに想われている)
不安だった分、安心した気持ちが大きくて、崩れ落ちそうになった。
早くユノに触れたかったけれど、ユノはひたすら俺を見つめるだけだったから、俺の方からユノの側に行き、「久しぶり」と笑いかけてユノの手を握った。
(ユノ、早く抱き締めて)
ユノが、ゴクリと唾を飲み込む音がした。そして…


〜 YH side 〜

「もしもーし。俺も居るんですが」
「あ、すみません」
…2人して兵長の存在をすっかり忘れていた。
「そんな所に突っ立っていないで、中に入ればどうです?」
「…そうですね」
ドアの前で手を握り合ったままだった俺達は、部屋の中の方へと移動した。
俺が何も言わないからか、手を離す時にジェジュンが少し不安そうな顔をしたから、離れる直前に強く握ってやると、ジェジュンの頬がポッと赤く染まった。

「…じゃあ、自分の布団を敷きます」
あっさりとジェジュンが受け入れてくれた嬉しさで、声が弾むのを抑えられない。
空いているスペース…寝る場所は階級順に、兵長、ジェジュン、俺だから、一番手前…に布団を敷いて寝る準備をする。
ジェジュンが「ユノ、布団真っ直ぐ敷けるんだ」「服畳めてる!面白い」とからかい、俺はそれが楽しくて「こんなもんよ」とはゃぎながら言ったりする。
兵長は、そんな俺達を黙って見ていたが、
「少し早いけど俺はもう寝ます。お二人は6年ぶり?積もる話もあるでしょうから、ごゆっくり」
と言うと、布団に入って目を閉じた。

「うるさかったかな?」
「そうだね。俺達も寝ようか。電気消して、二等兵」
「かしこまりました、一等兵」

更新日:2015-11-02 21:49:21

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