• 3 / 16 ページ

第3話 : 1週間前① ~JJ side

それから1週間は、通常の訓練をしつつ陸軍フェスの準備をする、忙しくも充実した日々だった。
共演する人達のレベルも高かったし、宿舎の同室は皆ボーカルの選抜者だったから、夜は音楽の話をしたりもして、毎日が楽しかった。

そして、本番まで1週間を切ったある日の早朝。
朝食前の、部屋の片付けやら何やらで落ち着かない時間帯のボーカル部屋に、まだ決まっていなかった出演者の名前も全て入った陸軍フェスの最終予定表が届けられた。

その名前は、まるでそこだけが浮き出ているかのように、真っ先に目に飛び込んで来た。

『メイン会場MC : チョン・ユノ(26師団』

メイン会場…。開幕式はメイン会場だ。
そのMCが、ユノ?
俺も出演する開幕式に…。

手にしていた予定表がガサリと音を立てた。
知らず知らずに手に力が入っていたらしい。
何人かがチラリチラリと俺を見ているように思うのは、自意識過剰だろうか?
更に、予定表を持って来た上官は、こう告げた。

「今夜中に残りの出演者が全員合流します。それに伴い、宿舎の使っていない小さい部屋を何部屋か開ける事になります。ここに関係あるところでは…パク・サンウ兵長、キム・ジェジュン一等兵、隣の小部屋に移動してください。後ほどチョン・ユノ二等兵が合流してフェスティバル終了まで3人でここに入ってもらう事になります」

更新日:2015-10-29 22:05:59

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook