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第2話 : 2週間前 ~JJ side

所属する55師団がある龍仁から車で3時間。
運転兵に送られ、俺は軍用車から派遣先であるケリョンデの演習場に降り立った。
ここで来月行われる陸軍フェスティバルに、ボーカルとして出演するためだ。
まずは、このフェスティバルの企画責任者であるパク・サンウ兵長のところへ挨拶に向かう。

「大歓迎ですよ。ジェジュンさんが出演すれば大盛況間違いなしだ」
「はい、期待に応えられるよう頑張ります」
「これがタイムスケジュールです。ジェジュンさんは、まずこのフリンジ公演」
「確認します。はい、曲目も間違いないです」
「それと、開幕式で僕とデュエット」
「え?」

全く知らされていなかった話に一瞬驚いたが、その程度の突発事は芸能界だったら当たり前なので、焦るような事では全くない。
「よろしくお願いします。じゃあ事務所やペンカフェにも連絡しないと。開幕式にも出演って」
「あ、これは極秘事項です」
「そうですか。公表はしないんですね。でも事務所やペンカフェには」
「そこにも極秘で。これは…命令ですから」
「…分かりました」

その時は、軍の命令は最優先だからと思っただけだった。
極秘の理由は、気にはなったが、深くは考えなかった。

更新日:2015-10-28 21:34:38

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