• 10 / 16 ページ

第10話 : 1日前① ~ JJ & 兵長 side ~

〜 JJ side 〜

だが、休暇でのお泊まりデートまで待つ必要はなかった。
翌日…本番前日の夜、兵長が部屋を留守にする事になったからだ。
「本部で用事があるので」
布団を敷く代わりにロッカーの荷物を取り出しながら、兵長は言った。
「そっちに泊まる事になりそうなので、今夜はここへは戻りません。明日は人の出入りが多いので、朝出る時に錠を掛けてくださいね。鍵はジェジュンさんに預けて行きます。それじゃ」
「…はい。お疲れ様です」

兵長が出て行くと、部屋にはユノと2人きり。
一気に「そういう雰囲気」になる。
あとは、どちらかが誘うだけ…。
でも、ユノは、昨日俺に止められたせいもあるのか、誘いにくそうだ。
俺は、静かに立ち上がって、部屋の電気を消すと、ユノに抱き付いて行った。
「…抱いてくれるよね?」


〜 兵長side 〜

本部で用事?
そんなものが、宿舎に帰れないほど遅くまであるはずがない!
あの2人を、一晩くらいは2人きりにしてやりたかっただけだ。

2人が夜こっそりキスし合っているのは知っていた。
盗み見していたわけじゃない。
俺が眠ろうとして目を閉じていたのを、2人は寝付いたと思い込んだらしい。
すぐ隣でゴソゴソされたらイヤでも分かる。
昨日に至っては、キス以上の事をしようとしていた…と思う。
それで…まあ…気を使って今夜は部屋を空ける事にしたわけだが。

2人が今夜どうするかは知らない。(あまり考えたくない。)
が、悪い事にはならないだろう。
2人だけの時間が活力になって、きっと明日を良い初日にしてくれるはず。
それで万事めでたしめでたし、だ。

それにしても…俺、今夜はどこで寝よう?

更新日:2015-11-06 22:23:57

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook