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事だった。首領パッチもそんな破天荒を可愛く思うから甘えて来るのを許しており、永く離れて再会した時に泣いて抱き付かれるのはみんなの手前恥ずかしいが、ああまで慕われるのは嬉しく、そんな可愛い子分が虐待される姿を見続けるのは忍びなく、渋る破天荒を説得した。
「お前も自主的に参加した以上は、残りの修行をやりやすくする努をしろよ」
「オレは飯食ってたらギョラ公に拉致られただけっス」
 前日の夜半過ぎに数年振りにハジケ村のハジケ組に戻った破天荒は、首領パッチが居ない事に落胆しながらも『今日明日くらいは客扱いしてやる』と言ってくれた若頭の言葉に帰る場所がある幸福を噛み締め、久し振りの熱い内風呂にゆっくり浸かって暖かい布団で熟睡をし、それでも早起きをしてしまってコパッチ達に『破天荒は真面目だな』と褒められて嬉しくなり、青いコパッチを紹介されてコパッチになった経緯を聞いてちょっと苛付いたが、首領パッチを慕ってハジケ組に入った同朋に違いはないので笑顔で挨拶を交わした。そんな和やでアットホームな雰囲気の中で若頭とコパッチ達とご飯を食べている時にテレビ画面から流れ出した三世の電波ジャック放送を観て驚き憤っていると、魚雷ガールが屋根をぶち抜いてお膳の上に突如現れ、若頭とコパッチ達と一緒に驚愕した数秒後に我に返って怒鳴り付けようとしたら逆ギレ宜しく『おふざけは許さない』といつもの決め台詞を言われて襟首を掴まれて連れ攫われてしまい、屋根を壊され魚雷生物が現れ何もふざけていないのにその魚雷生物に『おふざけは許さない』と言われて破天荒が攫われた事に何重にも驚愕している若頭とコパッチ達を残して音速でド田舎の海岸まで拉致されたのだった。ド田舎の寂れた海岸に着くと魚雷ガールが通販で届いた乗馬マシーンでエクササイズをしだし、破天荒は何やってんだコイツと思いながら何のつもりなのか問い詰めると、奴らと一緒に鍛えてやるからその前に吉牛買って来いと無茶振りをされて、奴らって誰だよと思いながら痩せたいんならその辺の海藻でも食ってろと言い返して、下郎が口答えすんないいから早く買って来いと言われてムカムカしながら無視する事にしていたら首領パッチと再会出来たのだから、その点だけは魚雷ガールに感謝しなくもない破天荒だった。

更新日:2017-08-18 11:40:31

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