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愛憎個人レッスン

 魚雷修行の第三段階、魚雷先生の野外個人レッスンで一人だけ超絶スパルタレッスンを受けてズタボロの破天荒は、愛しのおやびんのトゲの間に小さくデフォルメ化した姿で横たわって癒されていて、そんな子分の要領の悪さを首領パッチは嘆いた。
「お前は本当に要領が悪いな。魚雷なんか適当に愛想振りまいておだてときゃ良いんだよ」
「オレには無理っスおやぴん♪」
 首領パッチはこの不器用実直な子分に心配半分呆れ半分で彼女のいなし方を教えてやるが、首領パッチ以外にはへりくだる気などサラサラ無い上に魚雷ガールには積年の恨みがある破天荒は甘えた声で即座に拒否をした。そこへ天の助が口を挟んだ。
「首領パッチの前だからってな〜にカワイコぶってんだよ、デコっ八。毛狩り隊連中を騙しまくってた癖によ〜」
「何それ!お前、オレに隠れて何やってたんだ!!」
 子分の秘密を知って吃驚仰天の首領パッチに天の助は破天荒がツルリーナ四世に取り入り潜入していた頃の話をしてやろうとしたが、破天荒に脅されてしまい、天の助が口を噤んでしまった為に首領パッチは破天荒にきつい口調で迫った。
「天の助に話させないなら、破天荒、お前自身の口でオレに説明しろ!」
 首領パッチに叱責されて破天荒は困った顔で黙りこくり、破天荒が温和しくなったので天の助は安心して首領パッチに促されながら当時の話をした。
 破天荒はツルリーナ四世に取り入って直属の部下として自由に動き回って、悠々と毛の王国の生き残りを探した後はその基地を壊滅させて行っていて、当時はツルリーナ四世のお気に入りがそんな事をするとは誰も思わず、そんな破天荒の朧気な噂はAブロック隊長の天の助の耳にまで届いていたが、基地のないうちになんか来ないよね〜、と部下達とのほほんと過ごしていたのだった。
 あの当時はヘッポコ丸が疑い続けていたくらい謎な言動が多かった破天荒を首領パッチは疑っていた訳ではないが、天の助の話を聞いて裏切りを画策していなかった事が確実に解って安堵した。
 そんな訳だから外面良く自分を偽れば簡単だろうと天の助が言うが、破天荒が魚雷ガール相手には絶対嫌だと頑固に拒否するので、更なる提案をした。
「じゃあさ、魚雷を首領パッチと思えば出来るだろ?」
 大男が甘えた声で『おやびん』『おやびん』と小さな首領パッチに纏わり付く姿はなかなかに奇異だが、された方は可愛くて堪らないだろう、とは天の助も隊長だった経験があるからこそ言える

更新日:2017-08-18 11:34:51

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