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「意識したことはないかも…。」
「レーダーから見失うということは、ヤマト自体も危険に曝されるということだ。制空権を握れなかったんだからな。」
「そんなの学校で習ったし…。」
「艦載機の第1任務はなんだ?お嬢。」
「えっと…索敵と制空権の確保。」
「よくできました。」
「それも学校で習ったし…。」
「ちゃんと実践しているか?出撃と同時に敵を撃ち落とすことしか考えていないか?」
「そう言われると…ちょっと…。」
「基本に忠実になれ。副長のお前には冷静な判断が求められる。隊長がアレだからな。」
「加藤?」
「ありゃ、天性の勘で動いている。型にはまらないタイプだな。」
「短期間で、よく加藤のこと見抜けましたね?姫さん。」
「お前らの倍以上パイロットやってんだよ。解らないわけ無いだろ?」
「ふ〜ん…。」
「次、いくぞ。」
「え〜?もうヤダよぉ〜。仕様書、隅から隅まで読むなんて。」
「いいから言うこと聞かんかい!」
「もう…。」


「疲れた…。仕様書、全部読むなんて…。」
「以前のコスモタイガーとの違いが解ったろ?」
「解りました!パルスレーザー砲が強化されたのと、最高速度が上がったこと、それだけだったじゃないですか?」
「読み飛ばしていたページも頭に入ったろ?」
「入りましたっ!もう!」
「よろしい。菊田さんのマンションまで送るよ。」
「ありがとうございますっ!」


「じゃあな。お嬢。偶には会いに来いよ。」
「仕様書、読ませないなら行きますからね?」
「いい勉強になったろ?」
「訓練生の時に教えてもらいたかったですよ…。」
「俺は訓練生には教えない主義だからな。」
「意地悪な姫さん。」
「気をつけて行ってこい、訓練航海。無理するなよ?」
「はい。」
「じゃ、愛しい旦那様の為に夕食作り、始めろや。じゃあな。」
「ありがとうございました。」


「参った…。」
明はベッドに倒れ込んだ。
「コスモタイガーのことは全て知り尽くしているつもりだったんだけどな…。」
明は、自分の知らない部分を姫川に指摘され、少々ショックを受けていた。
「夕食の支度、するかな?」
夕食の支度を始める明。
「こうやって和男のために夕食の支度をするのも後数回…。また離れ離れになるんだ…。」
ちょっぴり涙が浮かんできた。
「パイロット辞めて和男と2人っきりの生活したら…どんなだろう…?」
和男がよく言ってたっけ。パイロットが飛べなくなったら生きる屍だと。

更新日:2015-11-07 18:53:35

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旅立ちまでの一瞬(ひととき)