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世界終焉へのカウントダウン

君はこの世界のこと、好き?

僕は嫌いだな。

まだ無垢な君はこの、汚れきった世界を知らないから好きだと言えるんだ。

僕はずっと、この世界を見てきた。

この世界は、嘘と秘密で埋まっている。

塗り固められた嘘は、足に絡みついて、どんなに足掻いても、もがいても離れない。

秘密は、いつも人間を誘惑し、黒く染めていく。

小さな希望も、嘘と秘密に塗り固められてしまう。

可能性も全て、否定される。

そんな事実を見ても、君はこの世界のことを、好きだと思える?

ああ、そんな泣きそうな顔しないで。

君を泣かせたいわけじゃない。

君に知ってもらいたかったんだ。

世界は複雑に見えていて、単純だということを。

そして、それゆえに弱者と強者が存在するということを。

もっと複雑ならば、僕も好きになれたのかもね。

けれどもう遅い。

終焉の時は、すぐ目の前にまで迫っている。

誰も望まない終わりまであと___________







__________一日。









更新日:2015-12-28 10:20:11

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