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【第一部】 動き始めた真実
工藤新一が東都のマドンナと大学のキャンパスでバッタリ出くわしたその週末──
新一は隣に住む阿笠博士の家を久しぶりに訪れた。
子供の頃から通いなれた阿笠邸。
新一はインターホンを鳴らすことなく玄関を開けると、遠慮なしにリビングへと入っていく。
「おーい、博士、いるか?」
ちょうど阿笠博士が地下室から顔を出す。
「おお、新一か、久しぶりじゃのう。どうしたんじゃ?」
「ああ、博士……夏休み前に作ってもらったこの盗聴器セットだけど、
すげえお手軽で便利だから、重宝してたんだけどさ……
最近こっちの受信器の方の調子が悪いみたいでよ、音がよく拾えねーんだ。
ちょっと見てくんねーか?」
「どれどれ、貸してみなさい」
博士が新一から自らが発明した盗聴器セットを受け取ると調べ始めた。
「たぶん内部に埋め込んである部品の接触不良かなんかじゃろう。
新一、少しここで待っておれ! 今すぐ直してやるからのう」
「博士、わりぃな。じゃあ、頼むな」
博士が修理のために地下室へ姿を消すと、新一はリビングのソファに腰を降ろして、
テーブルの上においてあった雑誌を手に取った。
しばらくして阿笠邸の玄関がガチャリと開く音がする。
「こんにちは! 博士、遊びに来たわよ」
若い女性の声が耳を掠め、新一が声のした方に顔を向けると、
そこにいたのは────
色白で赤茶色の髪をし、まるでファッション雑誌から抜け出てきたようなスタイルの美女。
パッと見は男の視線を奪わずにはいられないほど綺麗だが……
「あっー!? オメーは……」
(そうだ、あのツンツンして可愛くねー女だ)
赤茶色の髪をした美女は新一の姿を見るや否や、
初めて会った時と同様に驚いた顔してその場に立ち尽くしている。
(なんで、こいつ、俺の顔を見るたびに驚くんだよ……)
新一は隣に住む阿笠博士の家を久しぶりに訪れた。
子供の頃から通いなれた阿笠邸。
新一はインターホンを鳴らすことなく玄関を開けると、遠慮なしにリビングへと入っていく。
「おーい、博士、いるか?」
ちょうど阿笠博士が地下室から顔を出す。
「おお、新一か、久しぶりじゃのう。どうしたんじゃ?」
「ああ、博士……夏休み前に作ってもらったこの盗聴器セットだけど、
すげえお手軽で便利だから、重宝してたんだけどさ……
最近こっちの受信器の方の調子が悪いみたいでよ、音がよく拾えねーんだ。
ちょっと見てくんねーか?」
「どれどれ、貸してみなさい」
博士が新一から自らが発明した盗聴器セットを受け取ると調べ始めた。
「たぶん内部に埋め込んである部品の接触不良かなんかじゃろう。
新一、少しここで待っておれ! 今すぐ直してやるからのう」
「博士、わりぃな。じゃあ、頼むな」
博士が修理のために地下室へ姿を消すと、新一はリビングのソファに腰を降ろして、
テーブルの上においてあった雑誌を手に取った。
しばらくして阿笠邸の玄関がガチャリと開く音がする。
「こんにちは! 博士、遊びに来たわよ」
若い女性の声が耳を掠め、新一が声のした方に顔を向けると、
そこにいたのは────
色白で赤茶色の髪をし、まるでファッション雑誌から抜け出てきたようなスタイルの美女。
パッと見は男の視線を奪わずにはいられないほど綺麗だが……
「あっー!? オメーは……」
(そうだ、あのツンツンして可愛くねー女だ)
赤茶色の髪をした美女は新一の姿を見るや否や、
初めて会った時と同様に驚いた顔してその場に立ち尽くしている。
(なんで、こいつ、俺の顔を見るたびに驚くんだよ……)
更新日:2018-03-02 19:11:33