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すれ違うもう一つの心
工藤新一と宮野志保が偶然に再会した頃──
工藤新一の幼馴染で現在は冷却期間中の恋人でもある毛利蘭が通う帝丹大学では、
学生たちが今週末に行われる学祭の準備に追われていた。
「やっほぉー! 蘭、頑張ってる?」
「あっ、園子! わざわざ手伝いに来てくれたの?」
「ううん、大学に来るついでがあってね、ちょっと蘭の様子を見に寄ったのよ。
はい、これ! 差し入れよ」
「わあ、園子、ありがとう! サークルのみんなもきっと喜ぶよ」
鈴木園子が大量のドーナツの入った箱を蘭に手渡す。
園子は帝丹小学校からずっと一緒の毛利蘭の親友で、
日本の名だたる鈴木財閥の令嬢である。
蘭は教育学部へ、園子は経済学部へと帝丹高校からの内部進学で帝丹大学へ入学した。
園子は大学へ入学してすぐにテニスのインカレサークルに入ったのだが、
蘭はしばらく迷った末に帝丹大学の英会話サークルに参加を決める。
帝丹大学の学祭では蘭の所属する英会話サークルも模擬店を開く予定で、
蘭たちはその準備の真っ最中だった。
英会話サークルには海外から帝丹大学へ留学中の学生が何人も参加していて、
模擬店ではバラエティに富んだインターナショナルフードを提供することになっている。
蘭が英会話サークルに入った動機は工藤新一だった。
新一の両親はロスに住んでおり、新一も幼い頃から海外を行ったり来たりした生活で、
英語もネイティブスピーカーと変わらないほど流暢でペラペラだ。
そんな新一に少しでも近づきたい、新一との将来に役に立つかもしれないと思い、
一緒にテニスサークルに入ろうと言う園子の誘いを断り、
蘭は帝丹大学にある英会話サークルに入ることに決めたのだ。
「園子、せっかく来てくれたし、どこかでお茶でもする?」
「いいわね、でも、蘭、抜けても大丈夫なの?」
「うん、もうほとんど準備も終わってるしね。
少しくらい抜けても大丈夫だよ」
「そっか、じゃあ、その辺でお茶でもしようか」
「そうだね、園子とゆっくり話すのも久しぶりだもんね」
工藤新一の幼馴染で現在は冷却期間中の恋人でもある毛利蘭が通う帝丹大学では、
学生たちが今週末に行われる学祭の準備に追われていた。
「やっほぉー! 蘭、頑張ってる?」
「あっ、園子! わざわざ手伝いに来てくれたの?」
「ううん、大学に来るついでがあってね、ちょっと蘭の様子を見に寄ったのよ。
はい、これ! 差し入れよ」
「わあ、園子、ありがとう! サークルのみんなもきっと喜ぶよ」
鈴木園子が大量のドーナツの入った箱を蘭に手渡す。
園子は帝丹小学校からずっと一緒の毛利蘭の親友で、
日本の名だたる鈴木財閥の令嬢である。
蘭は教育学部へ、園子は経済学部へと帝丹高校からの内部進学で帝丹大学へ入学した。
園子は大学へ入学してすぐにテニスのインカレサークルに入ったのだが、
蘭はしばらく迷った末に帝丹大学の英会話サークルに参加を決める。
帝丹大学の学祭では蘭の所属する英会話サークルも模擬店を開く予定で、
蘭たちはその準備の真っ最中だった。
英会話サークルには海外から帝丹大学へ留学中の学生が何人も参加していて、
模擬店ではバラエティに富んだインターナショナルフードを提供することになっている。
蘭が英会話サークルに入った動機は工藤新一だった。
新一の両親はロスに住んでおり、新一も幼い頃から海外を行ったり来たりした生活で、
英語もネイティブスピーカーと変わらないほど流暢でペラペラだ。
そんな新一に少しでも近づきたい、新一との将来に役に立つかもしれないと思い、
一緒にテニスサークルに入ろうと言う園子の誘いを断り、
蘭は帝丹大学にある英会話サークルに入ることに決めたのだ。
「園子、せっかく来てくれたし、どこかでお茶でもする?」
「いいわね、でも、蘭、抜けても大丈夫なの?」
「うん、もうほとんど準備も終わってるしね。
少しくらい抜けても大丈夫だよ」
「そっか、じゃあ、その辺でお茶でもしようか」
「そうだね、園子とゆっくり話すのも久しぶりだもんね」
更新日:2018-03-19 23:51:24