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コナンはふっと息を吐くと、彼女を労うように声をかける。

「灰原、オメーが謝る必要なんてどこにもねーよ。
夏休みの間中、ずっと研究してくれたんだろう。サンキュ!」

「工藤君、お礼なんかいらないわ。
すべては私があんな薬を作ったことから始まってるのよ」

「バーロー、確かにオメーはAPTX4869を作成したかもしれねーが、
悪用したのは黒の組織の連中だ。
オメーだって十分に苦しんだじゃねーか……。黒の組織は崩壊したんだ。
もういい加減、オメーも彼らから解放されてもいいだろう」

(そんなの無理よ。私の罪は一生消えないもの)

哀は優しい言葉をかけてくれるコナンの顔を直視できずに俯いた。
二人の間にしばらく沈黙が続くと、コナンが口を開く。

「灰原、解毒剤を俺にくれよ!
10%の確率でどんな副作用が出ようとも……俺は解毒剤を飲むぜ。
俺はどうしても工藤新一に戻りてぇ―んだ」

「工藤くん、貴方、怖くないの? 死ぬかもしれないのよ」

「バーロー、俺は絶対に死んだりなんかしねーよ」

コナンは自信ありげにニヤッと不敵な笑みを浮かべる。

「蘭さんのためにそんなに戻りたいの?」

「まあ、それもあるけどよ……」

コナンが少し照れながら話を続けた。

「俺にとって江戸川コナンは偽りの姿でしかねーからな。
俺の本当の姿である工藤新一として生きていきたいんだよ」

更新日:2018-03-02 22:24:46

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Someday ~ 忘れないで 【コナンで新一×志保】