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足音。

トコトコ。トコトコ。

足音が聞こえる。


季節の移ろいはあっという間で。

気がつけば、カレンダーも最後の一枚を残すばかり。


この部屋でカレンダーを掛け替えるのも、2回目になった。

自分は成長してるんだろうか?

毎日を過ごしていると、微細な変化には気がつけないけど。

机の上に積まれたテキストやレポートの山が、ぼくの足跡。


ふぅ。

小さく息を吐くと、窓が曇った。


摩天楼のビルが立ち並ぶここでは、空が近く感じる。

この空の向こうで、今日もスポットライトを浴びているぼくの恋人。


ストールをかけても肌寒い季節だけれど、彼は元気だろうか?

風邪などひかずに、元気いっぱいに舞台の上を走り回っているのだろうか?


「さて。もうひとがんばりしますか。」


ヒーターが冷え切った指先の感覚を戻してくれるのを待って、パソコンの電源を入れた。



ぼくの右隣には、いつも君がいるから。

トコトコ。トコトコ。


さて、ぼくも歩きだそうかな?

更新日:2015-11-28 14:45:56

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いつまでも大まおが好き!その3