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「大ちゃんって、免許持ってるの?すごいですね!」
「今度乗せてやるよ。」
「わあ!ほんとにっ!?」
キラキラと大きな瞳を輝かせながら、尊敬の眼差しで見つめられて悪い気がしなかった。
半分社交辞令、半分本気の返事だったけど、期待を込めたまなざしに頭の中でスケジュールをくっていた。
アイツの実家にうるさすぎない程度にスタイリッシュなスポーツカーで迎えに行くと、
慌てて階段を下りてきたのか、興奮気味に息をきらしていた。
「・・・おまたせっ!」
「・・・いや。待ってねーけど。」
インターホンを慣らしてから、マッハの勢い出てきながらお決まりの挨拶をするアイツに口元が緩む。
稽古に来るときよりも、少し幼い印象を受けるのは、「仕事」というフィルターを通して、しっかりした部分まおばかりを見てきたからだろうか?
ぺこん。と下げた頭をフードがすっぽりと覆って、きぐるみ状態になったからかもしれない。
ハンドルを握る俺を横目に「はしゃぐ。」という形容がぴったりな浮かれぶりで、いつもより饒舌にまおがしゃべり倒す。
・・・こんなによくしゃべるヤツだったんだ。
稽古場では、マイペースでマイワールドのあるヤツ。と思っていたけれど。
人の話に耳を傾けて、時折言葉を挟むことはああっても、こんなに自分から色々と話しする印象はなかった。
「やっぱさあ。運転してると大人って感じがするよね!」
「・・・18過ぎたら、誰でも免許ぐらい取れるだろ?
それとも、何か?お前、今まで俺のことコドモだと思ってたのか?」
「あははっ!・・な、わけないでしょ~?面倒見のいい優しいおにいちゃんだと思ってるよお!」
出会ったころよりは随分ましになったというものの、一気にたくさん話そうとすると舌足らずになる語尾にオトナゴコロというやつ?をくすぐられる。
本音を言ってしまえば、まだまだ芯の部分がコドモだからこそ、オトナだなあ。って尊敬されると
嬉しくて仕方がなかった。
「まあ、お前も早く免許ぐらいとって、助手席に彼女乗せなきゃな。」
他愛もない話をしながら、冗談交じりに軽く言うと、なぜだか今まではしゃぎまくっていたまおが黙りこくる。
「・・・そっか。やっぱり彼女とドライブしたかったよね。」
一気にトーンダウンした声に、誤解を招いた、と気がつきわざと明るくいい募る。
「俺の話じゃねーって。お前と稽古場以外で顔合せるのも新鮮で楽しかったし。
恋をするのは、芸の肥やし。っつーし。お前もたまには彼女と遊ぶ時間があってもいいんじゃないか?」
「・・・別に、いらない。今は、稽古が一番楽しいし。」
・・・大ちゃんと一緒にいるときは一番楽しいし。
なんて、つぶやきまでは聞き取れなかったけど。
窓の外に視線を逃がしてしまったまおが、背中で拗ねているのを何となく感じた。
その時は、彼女がいないことをからかわれて拗ねているのか、と、機嫌を損ねた可愛らしい理由に、拗ねたままにさせておいたのだけれど。
・・・まさか、こんなオチが待っていようとは。
「今度乗せてやるよ。」
「わあ!ほんとにっ!?」
キラキラと大きな瞳を輝かせながら、尊敬の眼差しで見つめられて悪い気がしなかった。
半分社交辞令、半分本気の返事だったけど、期待を込めたまなざしに頭の中でスケジュールをくっていた。
アイツの実家にうるさすぎない程度にスタイリッシュなスポーツカーで迎えに行くと、
慌てて階段を下りてきたのか、興奮気味に息をきらしていた。
「・・・おまたせっ!」
「・・・いや。待ってねーけど。」
インターホンを慣らしてから、マッハの勢い出てきながらお決まりの挨拶をするアイツに口元が緩む。
稽古に来るときよりも、少し幼い印象を受けるのは、「仕事」というフィルターを通して、しっかりした部分まおばかりを見てきたからだろうか?
ぺこん。と下げた頭をフードがすっぽりと覆って、きぐるみ状態になったからかもしれない。
ハンドルを握る俺を横目に「はしゃぐ。」という形容がぴったりな浮かれぶりで、いつもより饒舌にまおがしゃべり倒す。
・・・こんなによくしゃべるヤツだったんだ。
稽古場では、マイペースでマイワールドのあるヤツ。と思っていたけれど。
人の話に耳を傾けて、時折言葉を挟むことはああっても、こんなに自分から色々と話しする印象はなかった。
「やっぱさあ。運転してると大人って感じがするよね!」
「・・・18過ぎたら、誰でも免許ぐらい取れるだろ?
それとも、何か?お前、今まで俺のことコドモだと思ってたのか?」
「あははっ!・・な、わけないでしょ~?面倒見のいい優しいおにいちゃんだと思ってるよお!」
出会ったころよりは随分ましになったというものの、一気にたくさん話そうとすると舌足らずになる語尾にオトナゴコロというやつ?をくすぐられる。
本音を言ってしまえば、まだまだ芯の部分がコドモだからこそ、オトナだなあ。って尊敬されると
嬉しくて仕方がなかった。
「まあ、お前も早く免許ぐらいとって、助手席に彼女乗せなきゃな。」
他愛もない話をしながら、冗談交じりに軽く言うと、なぜだか今まではしゃぎまくっていたまおが黙りこくる。
「・・・そっか。やっぱり彼女とドライブしたかったよね。」
一気にトーンダウンした声に、誤解を招いた、と気がつきわざと明るくいい募る。
「俺の話じゃねーって。お前と稽古場以外で顔合せるのも新鮮で楽しかったし。
恋をするのは、芸の肥やし。っつーし。お前もたまには彼女と遊ぶ時間があってもいいんじゃないか?」
「・・・別に、いらない。今は、稽古が一番楽しいし。」
・・・大ちゃんと一緒にいるときは一番楽しいし。
なんて、つぶやきまでは聞き取れなかったけど。
窓の外に視線を逃がしてしまったまおが、背中で拗ねているのを何となく感じた。
その時は、彼女がいないことをからかわれて拗ねているのか、と、機嫌を損ねた可愛らしい理由に、拗ねたままにさせておいたのだけれど。
・・・まさか、こんなオチが待っていようとは。
更新日:2015-11-16 16:15:20