さらに視界が開けて腰から上が現れると、まともな服さえ着ていないのが分かった。
　何故かそれが分かっても、コメットは驚かなかった。
　ガラスが割れた頃あたりから、彼はうすうす嫌な予感がしていたのだ。その相手が来るだろうと、見当をつけた自分自身に、コメットは一番驚いていた。








　
　シェルターが全て上がりきる前から、レイク・カジマは待ちきれないように身を屈めて中の様子を覗き込んだ。
　少年は両腕に色々な武器を抱えていたため、上体を動かすとガチャガチャと音がした。

　やがて彼の目の前の視界が開けていくと、防音室の悲惨な現状が明らかになった。
　床に寝そべったまま動かない血まみれの物体が、おかしな格好で倒れていた。そのそばに微動だにせず立っている人間の足元も見えた。
　変わり果てた幼なじみの姿を目の当たりにするにつれて、少年はその形相を鬼のように変えていった。